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鳩が家に巣を作るまで2〜3日|卵ができると無許可の撤去は100万円以下の罰金

鳩が家に巣を作るまで2〜3日|卵ができると無許可の撤去は100万円以下の罰金のアイキャッチ画像

ベランダの室外機の裏に小枝が落ちていた、朝から「クルックー」という声が続く、手すりに白い汚れが増えてきた——そんな変化に気づいて、この記事にたどり着いた方が多いはずです。鳩が家に巣を作るかどうかは、最初のサインに気づいた時点でほぼ決まります。

先に結論をお伝えします。鳩の巣作りは、鳩が巣材を運び始めてから2〜3日で完成します。そして卵が産み落とされた瞬間に、その巣は法律で守られる対象になり、許可なく撤去すると鳥獣保護管理法違反として1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になります。つまり、自分で動ける時間は思っているよりずっと短いのです。

この記事では、鳩が家を選ぶ理由、家に来る鳩の種類の見分け方、巣作りが進む3つの段階、時期のピーク、法律上できること・できないこと、そして巣を作られる前と後それぞれの動き方を順番に整理します。焦って間違った手を打つ前に、5分だけお付き合いください。

📌 押さえておきたいポイント

この記事でわかること
・鳩が家に巣を作る理由と、選ばれやすい場所の共通点
・ドバトとキジバトの違い(巣の場所がまったく違います)
・巣作りの3段階と、自分で止められる最後のタイミング
・卵・ヒナがある巣を動かせない法律上の理由と相談先
・巣を作られる前にできる対策を、効く順番で

目次

鳩が家に巣を作るのはなぜ?選ばれる家に共通する3つの条件

鳩が家に巣を作るのはなぜ?選ばれる家に共通する3つの条件の解説画像

鳩が探しているのは「崖の隙間」に似た場所

鳩が家に巣を作るのは、あなたの家が鳩にとって「崖」に見えているからです。街でよく見るドバトの原種はカワラバトで、中央アジアに分布し、元来は崖の隙間で繁殖していました。歴史的には伝書鳩や鑑賞用、食肉用として家禽化され、その一部が逃げ出して野生化したのが今のドバトです。

つまりドバトは、生まれつき「切り立った壁面にできた、雨風の当たらない奥まったくぼみ」を巣の場所として選ぶようにできています。コンクリートのマンション、ベランダの手すりの内側、建物の壁と壁の隙間、天井裏、室外機の裏、雨どい——どれも鳩の目には崖の隙間そのものに映ります。木の枝に器用に巣をかける鳥とは、そもそも探しているものが違うのです。

ここを理解しておくと、対策の方向も決まります。鳩を「追い払う」発想ではなく、「崖の隙間に見えなくする」発想に切り替えると効きやすくなります。手すりの内側にとまれる幅があるか、室外機の裏に人の手が入らない空間があるか。その視点で自宅のベランダを一度見回してみてください。

ベランダが「安全な場所」と判断される理由

鳩がベランダを選ぶ決め手は、屋根があることだけではありません。人の出入りが少ないという条件が重なったときに、鳩は「ここは安全だ」と判断します。

洗濯物を干す短い時間しか使わないベランダは、鳩から見れば「人が来る時間が決まっていて、あとは誰も来ない場所」です。鳩は同じ場所を何度も観察してから巣作りを決めるので、この規則性を学習してしまいます。物置代わりに段ボールや園芸用品を置いたままにしているベランダは、身を隠せる遮蔽物まで揃っていることになり、条件としてはさらに良くなってしまいます。

意外と知られていないのですが、これは裏返せば有効な予防策でもあります。ベランダに出る回数を増やし、時間帯をばらつかせ、床に物を置かない。それだけで「安全な場所」という評価は下がります。高価な器具を買う前に、まずこの生活習慣のほうを見直したほうが、費用ゼロで効果が出ることがあります。

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狙われやすいのは「手が届かない奥まった空間」

実際に鳩が巣をかける場所には、はっきりした共通点があります。害虫・害鳥対策の専門事業者の解説でも、鳩は雨風の当たらない高所に巣を作り、建物では壁の隙間、天井裏、室外機の裏、雨どいなどを選ぶと説明されています。

共通するのは「屋根がある」「風が抜けない」「人の手が入りにくい」の3点です。とくに室外機の裏は、上に天板があり、背面は壁で、両脇は配管で塞がれているという、鳩から見れば理想的な構造をしています。エアコンを使わない季節は物音もしないため、警戒する材料がありません。

逆に言えば、この3点のうち1つでも崩せば候補から外れます。室外機の裏に手が届くよう隙間を確保する、雨どいのゴミを取り除いて水が流れるようにする、使っていない棚や箱をベランダから片づける。どれも道具なしで今日できることばかりです。巣が作られてからでは選べる手が一気に減るので、心当たりがあるうちに動くのが得策です。

📌 押さえておきたいポイント

鳩が家に巣を作る条件は「雨風が当たらない」「奥まっていて身を隠せる」「人の出入りが少ない」の3つ。このうち1つでも崩すと、鳩は別の場所を探しに行きます。まずはベランダの床に物を置かないところから始めてみてください。

その鳩はドバト?キジバト?巣の場所で答えが変わる2種の違い

ドバト(カワラバト)は全長約33cmで群れをつくる鳥

家の建物側に巣を作るのは、ほとんどの場合ドバトです。ドバトはハト目ハト科のカワラバト(学名 Columba livia)が家禽化され、逃げ出して野生化したもので、全長は約33cm、体重は約300gほどです。色や模様の変異が大きく、灰色、白、黒、まだら模様まで、同じ群れの中でも見た目がばらばらなのが特徴になります。

行動面でわかりやすいのは、群れることです。カワラバトは大きな群れを形成する一方、後述するキジバトは群れになりません。公園や駅前に数十羽単位で集まっているあの鳩が、そのままマンションのベランダにも来ていると考えてください。食性は穀類や豆類、植物の種子が中心ですが、都市部では人から受け取る餌の比率が高くなっています。

環境省の告示でも「都市部をはじめ全国各地に増大しているドバトによる被害」という表現が使われており、増えていること自体が行政の課題として認識されています。あなたの家のベランダに来ているのは、特別な事故ではなく、都市で起きているごく一般的な現象だということです。

キジバトは1〜2羽で行動し、樹上に皿状の巣を作る

一方、庭の木に巣がかかっていた場合は、キジバトの可能性があります。キジバト(学名 Streptopelia orientalis)はユーラシア大陸東部から日本にかけて分布し、日本では市街地から山地まで広く、通年見られます。体長は約33cmとドバトとほぼ同じで、大きさだけでは見分けられません。

決め手になるのは巣の場所です。福岡県の生物多様性情報サイトの解説によれば、キジバトは生垣などの枝葉が少し混みあった木に、皿状の巣を作ることが多いとされています。建物の隙間を選ぶドバトとは、営巣場所の好みが根本的に違うわけです。食べ物も、植物の新芽や果実、草本の種子、昆虫、ミミズ類などを好んで食べると説明されており、地面をつついている姿をよく見かけます。

もうひとつの手がかりが行動です。キジバトは1〜2羽でいることが多く、群れにはなりません。警戒心もドバトより強く、人が近づくと逃げていきます。「ベランダに何十羽も来る」ならドバト、「庭木にいつも2羽だけいる」ならキジバト、と覚えておくと現場で迷いません。

見分けの決め手は首の縞模様と、群れるかどうか

姿だけで見分けたいときは、首を見てください。キジバトは体色が雌雄同色で、肩羽や雨覆が黒褐色、周囲が淡い茶色。そして首に黒褐色と灰色の縞模様があります。この首の縞は近くで見れば確実にわかる目印です。ドバトには変異が大きい代わりに、この規則的な縞模様がありません。

鳴き声も手がかりになります。キジバトは「デーデーポッポー」とゆっくりしたテンポで鳴きます。朝、この声が庭の木のほうから聞こえてくるなら、建物側の対策より庭木の管理のほうが本題かもしれません。

下の表は、家に来る2種の鳩を「どこに巣を作るか」を軸に整理したものです(野鳥の教科書調べ/出典は各公的機関・研究機関の記載に基づく)。自分の家の状況がどちらに当てはまるかを確認してから、次の対策に進んでください。

比較項目 ドバト(カワラバト) キジバト
全長 約33cm 約33cm
見た目 色や模様の変異が大きい 首に黒褐色と灰色の縞模様
巣を作る場所 建物の隙間・天井裏・室外機の裏 生垣など枝葉が混みあった樹上
群れ 数十羽単位の群れをつくる 1〜2羽で行動し群れない
主な食べ物 穀類・豆類・植物の種子 新芽・果実・種子・昆虫・ミミズ類
家での注意点 ベランダ・室外機まわりの対策 庭木・生垣の枝の管理
🐦 野鳥スペックカード(ドバト)
分類ハト目ハト科(原種カワラバト)
全長・体重全長約33cm/体重約300g
見られる季節日本全国で周年生息
生息環境都市部の建造物。壁や壁の隙間を好む
食べ物穀類・豆類・植物の種子
群れ数十羽単位で群れをつくる

巣ができるまで2〜3日|見逃したくない3段階のサイン

巣ができるまで2〜3日|見逃したくない3段階のサインの解説画像

段階1:まだ「休憩に立ち寄っているだけ」の時期

鳩はいきなり巣を作りません。最初は休憩場所として利用し、次に待機場所やねぐらとして使用してから、最終的に巣作りに入る——という段階を踏みます。この最初の段階が、もっとも簡単に止められるタイミングです。

サインは地味です。手すりに数分とまってすぐ飛び去る、ベランダの隅に小さな白い汚れが1〜2か所できている、といった程度で、多くの人はここで気づきません。しかし鳩はこの時点で、その場所に人が来るかどうかを確かめています。

この段階で有効なのは、スプレー型の忌避剤です。鳩が立ち寄る場所にスプレーしておくだけと簡単に対策できる一方、効果は数時間程度とされているため、鳩が来る時間帯に合わせて繰り返し使う必要があります。手軽さと持続時間は引き換えだと理解したうえで使ってください。あわせて、ベランダに出る回数を増やして「人が来る場所だ」と学習させるのも同時に進めたいところです。

段階2:滞在時間が延び、ねぐらになり始める

次の段階では、鳩の滞在時間がはっきり延びます。夕方から翌朝までとどまる、2羽で並んでいる時間が長くなる、といった変化が出てきます。フンの量も、点在から一か所に集中する形に変わります。

ここまで来ると、スプレーだけでは押し返しにくくなります。専門事業者の解説でも、この段階では固形タイプの忌避剤とワイヤーの組み合わせが推奨されています。固形タイプはベランダに吊るして使い、雨の当たらない場所に設置するのが前提です。ワイヤーは手すりにとまれないようにする物理的な対策で、早い段階ほど効きます。

注意したいのは、追い払うだけでは終わらないことです。鳩は「ここは自分の居場所」という認識を強めつつあるので、追い払いと同時に、とまれる場所自体を減らしていく必要があります。手すりの上、エアコン配管の上、物干し竿——鳩が体を落ち着けられる水平な場所を1つずつ潰していくイメージで進めてください。

段階3:小枝や段ボールを運び始めたら、残りは2〜3日

巣材が運び込まれ始めたら、最終段階です。鳩の巣材は小枝や段ボール、草、落ち葉、紙片など身近なもので、枝や草が絡み合った皿状またはお椀状の簡潔な構造をしています。ほかの鳥に比べて作りが単純なぶん完成も早く、巣作り開始から2〜3日で完成します。

「まだ枝が数本置いてあるだけだから大丈夫」と考えるのは危険です。数本の枝は完成の2〜3日前を意味します。この段階では、鳩を繰り返し追い払う、隙間を塞ぐ、巣材を撤去する、餌場を排除する、こまめに清掃する、という対応をすべて同時に行う必要があります。奈良県御所市も「日頃から巣を作りそうな場所は清潔に保ち、巣を作りはじめたらすぐに取り除いてください」と案内しています。

まだ卵が産まれていない巣材だけの段階なら、敷地の管理者の判断で片づけられます。逆に言えば、この2〜3日を逃すと選択肢は一気に減ります。巣材を見つけた日が、自分で動ける最後の日だと考えてください。

失敗パターン①「たまに来るだけ」と放置して、気づけば卵があった

もっとも多い失敗が、段階1で気づいていたのに放置してしまうケースです。「休憩に来ているだけ」「洗濯物を干すときに追い払えばいい」と考えているうちに、連休や出張でベランダに出ない日が数日続き、戻ってきたら室外機の裏に巣ができていた——という流れです。

原因は、鳩の時間軸を人間の感覚で測っていることにあります。人間にとっての「数日放置」は、巣作りが完成してしまうのに十分な長さです。しかも鳩は人が来ない期間を学習しているので、留守が続くほど巣作りが進みやすくなります。

対策はシンプルです。鳩が立ち寄っているのを一度でも見たら、その日のうちに「とまれる場所を減らす」「床の物を片づける」の2つだけは済ませておくこと。そして長期間家を空ける前には、ベランダに何も置かない状態にしてから出かけること。この2つで、放置による事故はかなり防げます。

🏠 巣作りの進み方と、打つべき手
段階1:休憩 数分とまって飛び去る。フンは点在。→ スプレー型忌避剤(効果は数時間程度)+ベランダに出る回数を増やす
↓
段階2:待機・ねぐら 滞在時間が延び、フンが一か所に集中。→ 固形タイプの忌避剤+ワイヤーでとまれなくする
↓
段階3:巣作り本格化 小枝・段ボール・落ち葉を運び始める。→ 巣材の撤去・隙間を塞ぐ・餌場の排除を同時に。残り2〜3日
↓
産卵後 通常2個の卵。ここから先は許可なく撤去できない。→ 自治体・専門業者に相談

巣作りが増えるのはいつ?春と秋、2つのピークがある

もっとも活発なのは3月下旬〜5月上旬

鳩の巣作りには、はっきりした山があります。ドバトの場合、3月下旬〜5月上旬がもっとも活発で、日本におけるピークは春の3月から5月頃です。気温が上がり、鳩の活動量が増えるこの時期に、新しい巣の場所探しが集中します。

この時期の特徴は、下見の頻度が上がることです。冬のあいだはたまに姿を見る程度だったベランダに、急に2羽で並んでとまるようになった、というのは典型的な春のサインです。求愛や巣の場所選びが同時に進んでいると考えてください。

予防の観点では、このピークの「前」に手を打つのが理想です。つまり、2月から3月前半のあいだにベランダの片づけと隙間の確認を済ませておくこと。鳩が探し始めてから慌てて対策するより、候補地から外してしまうほうが手数が少なくて済みます。

4月〜7月は産卵が増え、9月〜10月に第2のピーク

春の巣作りピークに続いて、4〜7月は産卵数が増え、ベランダや屋根裏での営巣が急増します。つまり春に作られた巣が、そのまま初夏の子育てに使われていくわけです。梅雨どきに「ベランダから鳴き声が続く」という相談が増えるのは、このためです。

そして見落とされやすいのが秋です。日本におけるピークは春の3月から5月頃と、秋の9月から10月頃にもあります。「春を乗り切ったから今年はもう大丈夫」と対策を緩めたところに、秋の第2波が来る形になります。

秋のピークが厄介なのは、ベランダに出る頻度が落ちる季節と重なりやすいことです。暑さが引いて窓を閉める日が増え、洗濯物を室内に干す日も出てくる。人の気配が薄くなったタイミングで鳩の活動が上がるので、条件としては春より悪いこともあります。9月に入ったら、もう一度ベランダの状態を確認してください。

冬でも油断できない「通年繁殖」の性質

鳩は、季節を問わず繁殖できる鳥です。カワラバトは植物の種子があれば季節を問わず繁殖できるので、1年中、求愛や交尾、親子や幼鳥が見られると解説されています。都市部では餌が安定して得られるため、通年繁殖する傾向が指摘されています。

繁殖の回数も多く、ドバトは年に5〜8回繁殖するとされます。1回の産卵数は通常2個で、「3ヶ月に一度、必ず2個の卵を産みます」という記載もあります。しかも生まれたヒナがその場所を生活域にするため、個体数が増えていく構造になっています。

ここから導かれる結論は、「季節が過ぎれば鳩はいなくなる」という前提は成り立たない、ということです。カレンダー上の警戒度に強弱はあっても、対策そのものに休みはありません。下の表は、月ごとの巣作り警戒度の目安です。

🗓 鳩の巣作り警戒カレンダー
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
△ △ ◎ ◎ ◎ ○ ○ △ ◎ ◎ ○ △

◎=巣作りのピーク(もっとも警戒したい時期) ○=産卵・子育てが続く時期 △=件数は減るが通年繁殖の可能性あり

卵があると撤去できない|鳥獣保護管理法が定めるライン

空の巣は撤去できる、卵やヒナがある巣はできない

ここが、この記事でもっとも重要な部分です。鳩の巣を撤去できるかどうかは、「卵やヒナがあるか」の一点で決まります。

根拠になるのは鳥獣保護管理法(正式名称は「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」)です。この法律は鳥類又は哺乳類に属する野生動物を保護対象としており、野生鳥獣の捕獲(保護飼育を含む)は法律で禁止されています。卵やヒナを許可なく捕獲・採取・移動することも同じく禁止されています。

東京都の案内では、ドバトがベランダに巣を作った場合、卵を産んでしまっている場合は許可なく撤去することはできず、巣立つまで約1ヶ月待つ必要があるとされています。一方で、空の巣のみの撤去は許可不要です。つまり、まだ卵のない巣材だけの巣であれば、敷地の管理者が片づけて処分できます。この違いを知っているかどうかで、取れる行動がまったく変わります。

違反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金

罰則は軽くありません。許可なく野鳥を捕獲・殺傷することで、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。そして、知らずに行った場合でも罰則の対象になり得ます。「鳩は害鳥だから」「自分の家のベランダだから」という理由は、卵やヒナがある巣を勝手に処分してよい根拠にはなりません。

ここで多くの人が引っかかるのが、「所有権」と「法律の保護」は別だという点です。ベランダは自分が使う空間でも、そこにいる野鳥は自分の所有物ではありません。巣という構造物と、その中の卵・ヒナは、法律上まったく扱いが違うと考えてください。

なお、ドバトは狩猟鳥獣への指定が見合わせられています。飼鳩との判別が難しいことが理由とされており、「街の鳩だから自由に扱ってよい」という扱いにはなっていません。法律上の位置づけを正確に押さえておくことが、結果的に自分を守ることにつながります。

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それでも対処が必要なときの、許可の取り方と相談先

では卵やヒナがある場合に打つ手がまったくないかというと、そうではありません。環境省は、野生鳥獣の捕獲は原則禁止としつつ、生態系や農林水産業に対して鳥獣による被害等が生じている場合や学術研究上の必要性が認められる場合などには、環境大臣又は都道府県知事の許可を受けて捕獲が可能だと説明しています。

手続きの窓口は、原則として都道府県知事等です。実際には市町村長へ権限が移譲されているケースも多いため、まずはお住まいの自治体の環境部局や鳥獣担当窓口に問い合わせるのが確実です。国指定鳥獣保護区内や希少鳥獣、かすみ網を使う場合は環境大臣の許可になりますが、家庭のベランダの鳩でこれに該当することはまずありません。

手続きや現場作業に不安がある場合は、ペストコントロール事業者など、鳥類の対応に慣れた専門業者に相談する方法もあります。法令上の扱いを踏まえた作業を依頼できるため、自分で判断して違反してしまうリスクを避けられます。判断に迷ったら、動く前に自治体へ一報。これが原則です。詳しい条文は環境省「鳥獣保護管理法の概要」、捕獲許可の考え方は環境省「鳥獣の捕獲等の許可制度」で確認できます。

失敗パターン②「見つけた日に捨ててしまった」が違反になる

2つめの失敗が、発見と同時に巣ごと処分してしまうケースです。ベランダに巣があるのを見つけて驚き、そのまま袋に入れて捨ててしまった——という話は珍しくありません。中に卵が入っていれば、それは法律違反にあたります。

原因は「巣=ゴミ」という直感です。人間の感覚では、ベランダにできた小枝の山は片づける対象でしかありません。しかし法律が見ているのは巣の外見ではなく、中身です。卵やヒナがあるかどうかで、同じ行為が「敷地の管理」にも「違反」にもなります。

対策は、片づける前に必ず中を確認することです。鳩の卵は通常2個で、巣の中央に並んでいます。もし卵があったら、その場では何もせず、写真を撮って自治体に相談してください。逆に、卵もヒナもなく巣材だけなら、その日のうちに片づけて、同じ場所に作り直されないよう隙間を塞ぐところまで進めます。確認してから動く、という一手間が分かれ目になります。

⚠️ 注意:撤去の前に必ず中を確認

卵やヒナがある巣を許可なく撤去・移動することは、鳥獣保護管理法で禁止されています。違反した場合の罰則は1年以下の懲役または100万円以下の罰金で、知らずに行った場合でも対象になり得ます。空の巣のみの撤去は許可不要です。判断に迷ったら、手を出す前にお住まいの自治体の鳥獣担当窓口へ相談してください。

巣を作られる前にできること|効く順番で並べると迷わない

最優先は「隙間を塞ぐ」と「巣材・餌場をなくす」

対策を買い足す前に、まずやるべきことがあります。巣作り前の対策として挙げられているのは、鳩を繰り返し追い払う、隙間を塞ぐ、巣材を撤去する、餌場を排除する、こまめに清掃する、の5つです。このうち隙間・巣材・餌場の3つは、器具を買わなくても今日できます。

隙間を塞ぐとは、室外機の裏、エアコン配管の周り、ベランダ物置の下など、鳩が入り込める奥まった空間をなくすことです。鳩は執念深く入り込んでくるので、「ここは狭すぎるだろう」と思う隙間ほど確認しておいてください。

巣材をなくすのは、落ち葉・小枝・古い段ボール・紙片をベランダに残さないという意味です。鳩の巣材は小枝や段ボールなので、ベランダの隅にたまった落ち葉がそのまま材料になります。餌場の排除は、鳥の餌やりをしないことに加えて、こぼれた食べ物やペットフードを外に置かないことも含みます。清掃が最後に来るのは、フンや羽が残っていると「以前ここにいた」という手がかりになるためです。

忌避剤はスプレー・固形・ジェルで持続時間が違う

忌避剤には3つの形態があり、性格がはっきり分かれます。スプレー型は短時間の効果で使い方が手軽、固形型はベランダに吊るして使うタイプ、ジェル型は長期間効果が続くかわりに触感がベタベタします。

選び方の基準は、どの段階にいるかです。鳩がまだ休憩に立ち寄る程度ならスプレー型で十分ですが、効果は数時間程度なので、これだけで長期間守ろうとすると必ず破られます。滞在が長くなってきたら固形型とワイヤーの組み合わせ、常習化しているならジェル型、という順に強度を上げていくのが自然な流れです。

ありがちな失敗は、ジェル型を雨ざらしの場所や人が触れる手すりの上面に塗ってしまうことです。固形タイプは雨の当たらない場所に設置するのが前提で、ジェル型もベタつく性質があるため、洗濯物や人の手が触れる位置は避けて計画してください。どの形態も「置けば終わり」ではなく、定期的な点検とセットで考えるものです。

タイプ 持続の目安 使い方 向いている段階
スプレー型 数時間程度 立ち寄る場所にスプレーするだけ 段階1(休憩)
固形型 中程度 雨の当たらない場所に吊るす 段階2(待機・ねぐら)
ジェル型 長期間 場所を選ばないが触感はベタベタ 常習化している場所
ワイヤー・テグス 物理的に継続 手すりにとまれなくする 早期対策
防鳥ネット 物理的に継続 粘着テープやワイヤーで設置 侵入を完全に断ちたい場合

ネットは「侵入口を完全に覆う」が絶対条件

物理的にもっとも確実なのが防鳥ネットです。ネットを張ることで物理的に侵入できなくする方法で、粘着テープやワイヤーで設置できます。忌避剤のように効果が薄れていくことがないのが利点です。

ただし条件があります。侵入口を完全に覆うことです。隙間があると鳩は執念深く入り込んでくるため、「ほぼ塞いだ」は「塞いでいない」とほぼ同じ結果になります。よくあるのは、上部はきれいに張れているのに、床との接地面に手のひらほどの隙間が残っているケースです。鳩は歩いて侵入できるので、足元こそ入念に確認してください。

ネットは面で守る対策なので、たるみも弱点になります。張ったあとに端から順に手で押してみて、浮き上がる箇所がないかを確かめる。設置後しばらくは、風で外れていないかを定期的に見に行く。この2つを習慣にすると、長く効き続けます。

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マンションは「管理会社の許可」が最初の一手

集合住宅にお住まいなら、対策を始める前に確認すべきことがあります。マンション居住者は、ネットの設置前に管理会社の許可が必須とされています。ベランダは専有部分に見えても、避難経路として共用部分の扱いになっていることが多いためです。

実務としては、まず管理規約でベランダの取り扱いを確認し、次に管理会社へ「鳩の巣作りの兆候があるので、こういう対策をしたい」と相談します。このとき、共用部分(外壁・手すりの外側・パイプスペースなど)の対策は管理会社側の責任で行われることもあるので、自分で抱え込まずに状況を伝えることが大切です。

手間に感じるかもしれませんが、この順番を守るメリットは小さくありません。建物全体で対策が進めば、自室だけ守っても隣の空き部屋から入ってくる、という事態を避けられます。同じ建物で鳩の被害に困っている住戸は、たいてい一つではありません。

それでも巣を作られたら?状況別の正しい動き方

巣材だけの段階なら、その日のうちに片づける

巣を発見したら、最初にやることは中身の確認です。卵もヒナもなく、小枝や落ち葉が積まれているだけなら、空の巣のみの撤去は許可不要なので、敷地の管理者の判断で片づけられます。

片づけるときは、巣材を取り除いて終わりにしないでください。鳩は一度巣を作った場所に、後々何度も戻って同じ場所で巣を作り直そうとする習性が強い鳥です。巣材だけ取り除いても、同じ隙間が空いていれば数日後には同じ状態に戻ります。

正しい手順は、巣材の撤去 → 周辺の清掃 → その場所の隙間を塞ぐ、の3つを同じ日に済ませることです。室外機の裏なら物理的に入れなくする、手すりの内側ならワイヤーやネットを検討する。「片づけた」で止めず、「作れなくした」まで進めるのが分かれ目になります。

卵やヒナがあるなら、巣立ちまで待つのが原則

中に卵やヒナがあった場合は、許可なく撤去することはできません。東京都は、巣立つまで約1ヶ月待つ必要があると案内しています。繁殖の流れとしては、通常2個の卵が産まれ、孵化までが約18日、孵化後は約30日で巣立ちます。

待つあいだにできることもあります。巣に近づかず、そっとしておくこと。ベランダの他の場所にフンが広がらないよう、巣から離れた範囲を清掃しておくこと。そして、巣立ち後にすぐ対策を打てるよう、ネットや忌避剤の準備と、集合住宅なら管理会社への相談を先に済ませておくことです。

なお、専門事業者の解説では、巣作り後は法的制限があるためペストコントロール業者への依頼が推奨されています。フンの量が多い、巣の位置が高所で自分では手が届かない、といった場合は、待つあいだに業者へ見積もりを取っておくと巣立ち後の動きが早くなります。

巣立ち後こそ本番|帰巣本能に備える

ヒナが巣立ったあと、「終わった」と安心するのは早すぎます。ここが最大の分岐点です。鳩は一度巣を作った場所に何度も戻り、同じ場所で巣を作り直そうとします。しかも巣立ったヒナも生まれた場所を生活域にするため、放っておくと来る鳩の数は増えていきます。

ドバトは年に5〜8回繁殖するとされます。つまり、巣立ちを見届けて何もしなければ、同じ年のうちに次の巣作りが始まる可能性が十分にあります。「1回耐えれば終わり」という前提では対処しきれません。

やるべきことは、巣立ちを確認した直後に巣を撤去し、清掃して、その場所を物理的に使えなくすることです。ネットで覆う、ワイヤーでとまれなくする、隙間を塞ぐ。ここまでやって、ようやく一区切りになります。巣立ちの日は、対策を始める日だと考えてください。

戸建て・マンション・留守がち…立場別の優先順位

同じ「鳩が家に巣を作る」でも、住まいの形によって最初に打つ手は変わります。

戸建てにお住まいの方は、建物の隙間と雨どいが主戦場です。屋根まわりや壁の隙間、天井裏への入口になりそうな箇所を点検し、庭木があるならキジバトの営巣も想定して、生垣の枝が混みあいすぎないよう手入れしておきます。高所作業になる部分は無理をせず業者に任せるのが安全です。

マンションにお住まいの方は、管理会社への相談が先です。規約を確認してから、室外機の裏とベランダの床を片づけ、許可が下りた範囲でネットやワイヤーを設置します。共用部分の対策は自分で判断せず、状況を報告して建物全体で動いてもらうほうが結果的に早く収まります。

出張や旅行で家を空けがちな方は、留守中に巣作りが完成するリスクがもっとも高い立場です。ベランダに物を置かない状態を常態にして、長期不在の前には忌避剤やネットなど、人がいなくても効き続ける対策に切り替えておきましょう。人の気配に頼る対策は、留守が続くと機能しません。

Q. 鳩の巣を見つけましたが、卵があるかどうか見えません。どうすればいいですか?
A. 巣に手を入れず、離れた位置から中が見えるか確認してください。鳩の卵は通常2個で、巣の中央に並んでいます。確認できない場合や、卵・ヒナがありそうな場合は、その場で撤去せずにお住まいの自治体の鳥獣担当窓口へ相談してください。卵やヒナを許可なく移動することは鳥獣保護管理法で禁止されており、罰則の対象になります。逆に、小枝や落ち葉が積まれているだけの空の巣であれば、撤去に許可は不要です。片づけたあとは、同じ場所に作り直されないよう隙間を塞ぐところまで済ませましょう。

まとめ:鳩が家に巣を作るのを止められるのは、巣材を見つけた日まで

🐦 この記事の結論

鳩が家に巣を作るのは、雨風の当たらない崖に似た隙間があるからです。巣材を運び始めてからの2〜3日が、自分で止められる最後の機会です。

✅ 要点チェック
  • ✔ 完成まで2〜3日:巣材を見たら即対応
  • ✔ 卵があると撤去不可:無許可は罰金対象
  • ✔ 空の巣は撤去可:許可なしで片づけられる
  • ✔ ピークは春と秋:3〜5月と9〜10月に集中
  • ✔ 巣立ち後が本番:同じ場所に戻ってくる

鳩の巣作りは、休憩 → 待機 → 巣材運搬という段階を踏んで進みます。最初の段階で気づけばスプレー型の忌避剤と生活習慣の見直しだけで押し返せますが、巣材が運び込まれてからは2〜3日で完成してしまいます。そして卵が産まれた瞬間に、その巣は鳥獣保護管理法で守られる対象となり、許可なく撤去すれば1年以下の懲役または100万円以下の罰金という罰則の対象になります。ドバトは年に5〜8回繁殖し、一度巣を作った場所へ何度も戻る習性を持つ鳥です。だからこそ、片づけて終わりにせず「作れない場所にする」ところまで進めることが必要になります。今日の最初の一歩として、ベランダの床に置いてある物を片づけ、室外機の裏に手が届くかどうかを確かめてみてください。それだけで、鳩の候補地リストから外れる可能性があります。

※法令の運用や許可申請の窓口は自治体によって異なります。実際に対応する際は、お住まいの自治体の鳥獣担当窓口および公式サイトで最新情報をご確認ください。

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野鳥の教科書編集部です。テーマに関する基礎知識や選び方を、公式情報など確認できる情報をもとに編集しています。掲載後も定期的に見直し、変更があれば更新します。

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