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鳩の卵は何日で孵化する?ドバト16~18日・キジバト15~16日を分けるもの

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ベランダの室外機の裏や、庭木の枝の上。ある日ふいに白い卵が2個並んでいるのを見つけて、「これはいつ孵るんだろう」と気になって検索された方が多いのではないでしょうか。撤去するかどうかを判断したい方も、純粋にヒナが見たい方も、まず知りたいのは「あと何日なのか」という一点だと思います。

結論からお伝えします。鳩の卵は、街でよく見るドバト(カワラバト)で16~18日、山や住宅地の庭に来るキジバトで15~16日ほどで孵化します。よく言われる「約18日・420時間」という数字はドバトを基準にした目安で、外気温が低い時期には1~2日ほど延びることがあります。つまり、抱卵が始まってから2週間ちょっとで、卵の中身は殻を割って出てくるところまで育っているわけです。

ただ、この日数を正しく数えるにはコツがあります。鳩は2個の卵を1~2日あけて産みますが、抱卵の開始が産卵の順番とずれるため、「最初の卵を見た日+18日」で計算すると予想が外れます。この記事では、種類ごとの孵化日数の違い、日数が延びる条件、孵化してからヒナが日ごとにどう変わるか、そして卵を見つけたときに法律上なにをしてはいけないかまで、公的機関や研究報告で確認できた数字だけを使って順番に説明していきます。

📌 押さえておきたいポイント

・孵化までの日数はドバト16~18日、キジバト15~16日、シラコバト14~16日
・卵は通常2個。1~2日の間隔をあけて産まれるため孵化日もずれる
・外気温が低い時期は孵化までが1~2日延びることがある
・卵やヒナのいる巣は、鳥獣保護管理法により勝手に動かせない

目次

鳩の卵は何日で孵化する?種類別の日数を先に

鳩の卵は何日で孵化する?種類別の日数を先にの解説画像

ドバトは16~18日、キジバトは15~16日が目安

日本の市街地で見かける鳩は、大きく2種類に分かれます。駅前や公園に群れているのがドバト(カワラバト)、庭木や電線に1~2羽でとまって「デーデーポッポー」と鳴いているのがキジバトです。この2種は孵化までの日数がわずかに違います。

大阪市の公式ページはドバトについて「卵は16~18日でかえり、ヒナは約30日で巣立ちます」と説明しています。一方キジバトは、繁殖生態を追跡した研究報告で「抱卵日数は15~16日間であった」と記録されています。差は1~2日ですが、巣を見守る側にとっては予定が1日ずれるかどうかの違いになります。

なぜこの差が生まれるのかというと、そもそも2種は近縁ではあっても別の属の鳥だからです。ドバトは学名Columba livia、体長25~26cm程度で、もともとは中東やアフリカ、ヨーロッパに生息していたカワラバトが家禽化され、それが野生化したものです。キジバトは学名Streptopelia orientalis、体長約33cmと一回り大きく、日本全域の市街地から山地までに分布する在来の鳥です。体の大きさが違えば卵の大きさも発育速度も変わるため、数日のずれが出ます。

実際に自宅で巣を見つけた場合、鳥の姿を確認できるなら種類を先に特定しておくと、孵化予定日の精度が上がります。群れでいるか単独かでもかなり絞り込めます。

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「約18日・420時間」という数字の正体

鳩の孵化について調べると、かなりの確率で「18日」「420時間」という数字に行き当たります。これは養鳩(レース鳩の飼育)の世界で使われてきた目安で、資料には「孵化日数は、外の気温の低い時期などは、1~2日延びることがありますが、平均18日約420時間です」と記されています。レース鳩はドバトと同じカワラバトを祖先にもつため、街のドバトにもおおむね当てはまります。

時間単位まで示されているのは、鳩を計画的に繁殖させる人が孵化のタイミングを逆算するためです。ただし、これはあくまで平均値であることに注意してください。抱卵が安定して続いた場合の数字であり、親鳥が警戒して巣を離れる時間が長ければ、その分だけ卵の温度が下がって発育は遅れます。

庭やベランダの巣を観察する立場からすると、「18日ちょうど」を狙うより「16~18日の幅のどこか」と考えたほうが実態に合います。バードリサーチの資料ではドバトについて「抱卵期間:約16日で孵化」と記されており、条件がよければ16日で出てくることもあるわけです。

逆に、18日を大きく過ぎても孵化しない場合は、無精卵だったり、途中で発育が止まっていたりする可能性があります。そうした場合でも親鳥がしばらく温め続けることは珍しくないため、「日数を過ぎたから空の巣だ」と判断して手を出すのは早すぎます。

抱卵の開始日はいつから数えるのか

孵化予定日を外す最大の原因が、数え始める日を間違えることです。鳩は通常2個の卵を産みますが、1個目と2個目の間には1~2日程度の間隔があきます。そして本格的な抱卵が始まるのは、多くの場合2個目を産んだあとです。

つまり「1個目の卵を見つけた日から18日」で計算すると、実際の孵化はそれより1~2日遅れて見えることになります。鳥が巣の上でじっとしている状態が続き始めた日を起点にするほうが、はるかに精度が高くなります。巣の上に親鳥が常時いるかどうかは、遠くから数分見ていればわかります。

なお、鳩が卵を産むまでの流れも意外と早く、交尾から4~5日で産卵に至ります。巣らしきものが作られ始めてから卵が出現するまでの猶予は、思っているほど長くありません。ベランダの巣を「まだ卵はないから様子を見よう」と放置していると、1週間後には抱卵が始まっている、ということが普通に起こります。

観察目的であれ対策目的であれ、巣材が積まれ始めた段階が一つの分岐点になります。この段階を過ぎると、対応できる選択肢が法律上かなり狭まるからです。

2個の卵は同じ日に孵るとはかぎらない

ここがよくある勘違いです。2個の卵が1~2日ずれて産まれる以上、孵化にもずれが出るのが自然です。ところが実際の巣では、2羽のヒナがほぼ同時期に孵ることが多く、「1日違い」程度に収まるケースが目立ちます。これは抱卵の本気度が2個目を産んだ時点から上がり、1個目の発育がそれまで緩やかに進むためと考えられています。

観察するうえでの実害としては、「1羽だけ孵って、もう1羽が出てこない」という状態を見て心配になりすぎることです。半日から1日程度の差なら通常の範囲で、翌日にはもう1羽が出ていることがよくあります。

また、殻を割り始めてから完全に出てくるまでにも時間がかかります。ヒナは自分の力で殻を内側から割って出てくるため、途中で動きが止まったように見える時間帯があります。ここで「手伝おう」と殻に触れるのは、鳥にとっても法律的にも最悪の選択です。

豆知識として、鳩の卵は白色で無地です。カラスの卵のように斑点がないため、巣の中の白い楕円が2つ並んでいれば、まず鳩とみて間違いありません。大きさは長さ3.1~4.0cm、幅2.4~3.2cmほどで、ウズラの卵よりやや大きく、鶏卵よりは小さいくらいのサイズ感です。

2個の卵はなぜ1~2日ずらして産まれるのか

「通常2卵」という規則正しさ

鳩の産卵数は驚くほど安定しています。資料には「通常鳩は、卵を2個産卵してから抱卵します。1個目と2個目の間には1~2日程度間が空きます」とあり、ドバトでは1~3卵の記録があるものの、実際にはほぼ2卵に収まります。キジバトを追跡した研究でも「卵数は4巣において2卵で、1巣のみ1卵であった」と記録されています。

この「2個」という数は、鳩の子育ての仕組みと直結しています。鳩はピジョンミルクという特殊な分泌物でヒナを育てるため、一度に養えるヒナの数に上限があるのです。スズメやシジュウカラのように一腹で4~7個も産む鳥とは、戦略がまったく違います。

その代わり、鳩は回数で稼ぎます。キジバトは年間6~8回、ドバトは年5~8回の繁殖が可能とされ、1回あたりの数が少ないぶんを頻度で補っています。ベランダに一度巣を作られると繰り返し戻ってくる、と言われるのはこの性質があるためです。

観察の目安として、巣に卵が3個以上ある場合は、別の個体が産んだ可能性や、そもそも鳩ではない可能性を疑ったほうがいいでしょう。白い卵が2個というのが、鳩の巣のもっとも典型的な姿です。

交尾から4~5日、巣作りから産卵までは早い

鳩の繁殖サイクルは全体としてテンポが速く、交尾後4~5日で産卵に至ります。巣といっても、小枝を無造作に積んだだけの簡素なものが多く、作り込みに時間をかけません。ドバトは「雨の降り込まない棚状の場所」を好むため、ベランダの室外機の裏、エアコン配管の隙間、使っていないプランターの上などが定番の営巣場所になります。

キジバトの場合は樹木の横枝を選ぶことが多く、庭木や街路樹の枝の分かれ目に、下から見上げると小枝が透けて見えるような薄い巣を作ります。あまりに簡素なので「作りかけ」に見えますが、それで完成していることがほとんどです。

ここで起きがちな失敗が、「まだ巣が完成していないから大丈夫」と判断して数日放置してしまうことです。実際には巣材が積まれた段階ですでに交尾が済んでいることがあり、気づいたときには卵が2個そろっている、という展開になります。対策を考えている場合、猶予は日単位だと思っておくのが安全です。

逆に観察を楽しみたい場合は、この速さが利点になります。巣作りを見つけてから1週間ほど通えば産卵に立ち会える可能性が高く、そこからさらに2週間強で孵化まで見届けられる計算です。

卵の大きさ・色・重さを具体的に知る

鳩の卵は白色で、長さ3.1~4.0cm、幅2.4~3.2cm、重さ9~13.5gという範囲に収まります。手のひらに載せると軽く感じるサイズですが、当然ながら実際に手に取ることは法律上できません。以下は、観察や写真から判断するための目安として押さえておいてください。

🐦 卵と繁殖のスペックカード(キジバト)
学名Streptopelia orientalis
体長約33cm
産卵数2卵(間隔1~2日)
抱卵日数15~16日
巣立ちふ化日から15~17日
産卵期4~6月が中心だが通年可能
鳴き声デーデーポッポーとゆっくりしたテンポ
体長の比較チャート(シラコバト 23cm・ドバト 26cm・キジバト 33cm)
体長の比較(野鳥の教科書調べ・各公式サイトより、2026年9月時点)

色が白一色である点は、種類を絞り込むうえで役立ちます。カラスの卵は緑褐色に黒い斑点、ムクドリの卵は薄い青緑色というように、身近な鳥でも卵の色はかなり違います。白い無地の卵が棚状の場所に2個、という組み合わせなら鳩の可能性が高いと判断できます。

注意点として、卵が白いことと「産みたて」であることは無関係です。日数が経った卵も白いままなので、見た目から孵化までの残り日数を推測することはできません。親鳥がいつから座り続けているか、という行動のほうが確実な手がかりになります。

年に何回産む?繰り返し戻ってくる理由

鳩の繁殖回数は、身近な野鳥のなかでも群を抜いて多い部類です。キジバトは年間6~8回、ドバトは年5~8回とされ、しかもドバトの産卵期は通年、キジバトも産卵期は4~6月が中心ながら通年可能と記録されています。つまり、季節を問わず繁殖できる鳥なのです。

これがベランダの鳩問題を難しくしている根本原因です。1回の子育てが終わって巣立ったあと、同じ場所で次の産卵に入ることが珍しくありません。ヒナが巣立つのを待ってから対処しようと考えても、その間に次の卵が産まれてしまえば、また手を出せない期間が始まります。

観察を楽しむ側から見れば、これは「同じ場所で何度も観察できる」ということでもあります。庭木にキジバトが巣を作った場合、翌シーズンどころか同じ年に繰り返し利用されることがあり、成長の過程を複数回追える可能性があります。

いずれにしても、鳩の繁殖はワンシーズン限りのイベントではありません。「今回の卵が孵化すれば終わり」ではないという前提で、観察計画も対策計画も立てておくのが現実的です。

同じ鳩なのに日数が違う3つの理由

同じ鳩なのに日数が違う3つの理由の解説画像

種類による違いを一覧で比べる

孵化日数の幅を生む最大の要因は、そもそも「鳩」とひとくくりにされている鳥が別種であることです。日本で身近な3種を並べると、違いがはっきりします。

比較項目 ドバト(カワラバト) キジバト シラコバト
体長 25~26cm程度 約33cm 20~23cm
抱卵日数 16~18日 15~16日 14~16日
産卵数 1~3卵(通常2卵) 2卵 2卵
巣立ちまで 孵化から28~35日 ふ化日から15~17日 約2週間
鳴き声 ポロッポー、ポロッポー デーデーポッポー 首に黒い輪状の線
見かける場所 都市部や田畑・群れ 市街地から山地・1~2羽 埼玉県など関東の限定地域

※野鳥の教科書調べ。各種の公的資料・研究報告で確認できた値をもとに作成

こうして並べると、孵化までの日数は14~18日の範囲に収まるものの、巣立ちまでの期間は種類によって2倍近い開きがあることがわかります。ドバトが孵化から28~35日かかるのに対し、キジバトはふ化日から15~17日と、倍ほど早く巣を離れます。

シラコバトは体長20~23cmと3種でもっとも小型で、白身を帯びた茶色に首の後ろの黒い輪が特徴です。埼玉県の県鳥として知られていますが、現在は100羽程度しか確認されていない希少な鳥で、都市部のベランダで出会う可能性はきわめて低いと考えてください。

気温が低いと1~2日延びる

卵の発育は温度に強く依存します。資料には「外気温が低い時期は1~2日ほど孵化までの期間がのびることがあります」と明記されており、これは冬から早春にかけての繁殖で実際に起こることです。

鳩の卵は親鳥の体温で温められています。親鳥が抱いている間は安定した温度が保たれますが、外気温が低ければ、親鳥が餌をとりに離れたわずかな時間でも卵の温度は下がりやすくなります。結果として、発育のトータルの進み方が遅くなり、孵化が数日ずれ込むわけです。

ドバトの産卵期が通年、キジバトも通年可能と記録されている以上、真冬に卵を見つけること自体は異常ではありません。ただし「16~18日で孵るはずなのに、もう20日経つ」という状況が冬に起きた場合、無精卵を疑う前に気温の影響を考えたほうが現実的です。

逆に春から初夏、キジバトの産卵期の中心である4~6月は、気温の面では条件がよい時期です。この時期の巣は日数どおりに進みやすく、孵化予定日の見立ても当たりやすくなります。観察を計画するなら、この季節を狙うのが無難です。

親鳥が巣を離れる時間の長さ

意外と見落とされがちなのが、人の存在が孵化日数に影響しうるという点です。親鳥が警戒して巣を離れる時間が増えれば、卵が冷える時間も増えます。ベランダで洗濯物を干すたびに親鳥が飛び立つような状況は、卵にとって好ましい環境ではありません。

キジバトの警戒心はそれほど強くないとされる一方、シラコバトは警戒心がやや強いと記録されています。同じ鳩でも個体差・種差があるため、「鳩は人慣れしているから平気」と一般化するのは危険です。

観察するときは、巣から離れた場所から双眼鏡を使うのが基本になります。スマートフォンで大きく写そうとして近づくと、そのたびに親鳥を追い立てることになり、結果的に孵化を遅らせたり、最悪の場合は巣の放棄につながったりします。

「見たいから近づく」が「見られなくなる」に直結するのが、野鳥観察の難しいところです。距離をとって通うほうが、結果的に多くの場面を見られます。

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抱卵はオスとメスで時間帯を分けている

鳩の抱卵は、オスとメスの共同作業です。キジバトの繁殖を追跡した研究では、抱卵時間についてメスが平均17時間(夕方から翌朝にかけて)、オスが平均7時間(日中)という分担が記録されています。夜間はメス、昼間はオスという時間帯の分業になっているわけです。

この仕組みを知っていると、観察がぐっと面白くなります。日中に見える抱卵中の個体はオスである可能性が高く、夕方以降に交代する瞬間を狙えば、2羽がそろう場面に立ち会えるかもしれません。

なお、鳩はオスとメスの外見差がほとんどないため、抱いている個体がどちらかを見た目で判断するのは困難です。時間帯という行動の手がかりのほうが、実用的なヒントになります。

交代のタイミングは、卵が一時的に露出する数少ない機会でもあります。この瞬間に卵の数を確認できれば、2卵そろっているかどうかがわかります。ただし、交代を邪魔しないよう離れて見ることが前提です。

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孵化した日から巣立ちまで、ヒナはこう変わる

孵化直後は黄色い産毛に覆われている

殻から出てきたばかりのヒナは、長い黄色い産毛に覆われています。目はまだ開いておらず、自力で体温を保つこともできないため、親鳥が交代で温め続けます。この時期のヒナは想像しているよりずっと小さく、卵から出た直後は卵の大きさとほとんど変わりません。

この段階の給餌は、ピジョンミルクによって行われます。バードリサーチの資料によれば、「初期段階では”ピジョンミルク”(親鳥が消化した食物を素嚢から分泌した粥状物質)により給餌され、その後は通常の吐き戻しによる給餌に移行します」とされています。哺乳類の乳とは別物ですが、栄養価が高く、ヒナの成長を一気に押し上げます。

この仕組みがあるおかげで、鳩は虫が少ない季節でも子育てができます。ツバメやシジュウカラが飛ぶ虫や毛虫に依存しているのとは対照的で、通年繁殖できる理由の一つがここにあります。

孵化直後の巣は、外から見ても何が起きているかわかりにくい状態です。親鳥がぴったり覆いかぶさっているため、ヒナの姿はほとんど見えません。「孵ったかどうか」は、親鳥が座る姿勢がわずかに変わったり、殻の破片が落ちていたりすることから推測することになります。

5日目で目が開き、翼がわかるようになる

孵化から5日目が、最初の大きな変化点です。バードリサーチの資料では「孵化後5日で目が開き」と記され、別の観察記録でも「孵化5日目の雛はまだ羽は全く生えていないものの、翼もはっきりわかるようになります」とされています。

この時期になると、ヒナは頭を持ち上げて親鳥にねだる動きを見せ始めます。巣の上で何かがもぞもぞ動いているのが遠目にもわかるようになり、観察の楽しさが増す段階です。

一方で、成長の速さは驚異的です。ピジョンミルクの栄養価の高さから「1日半で体重が2倍になるほど、成長スピードが非常に早い」と説明されており、数日見ないうちに別の生き物のように見えることがあります。

ここで気をつけたいのは、成長が早いぶん親鳥の採餌の負担も大きくなり、巣を離れる頻度が上がることです。「親鳥がいない時間が増えた=見捨てられた」と誤解して手を出すケースがありますが、これは子育てが順調に進んでいる証拠でもあります。親鳥は必ず戻ってきます。

10日目・17日目・20日目の羽毛の変化

羽毛の生え方は、日数を推定するうえで最もわかりやすい指標になります。資料によれば、10日目ごろから全身に槍状の羽毛が伸び始め、巣の中で動けるようになります。この「槍状」というのは、羽がまだ鞘に包まれてトゲのように見える状態のことです。

そこからさらに1週間ほど進むと、17日目にはほぼ全身が羽毛で覆われた状態になります。20日目ごろには羽毛が6~7分程度に生えそろい、見た目はかなり鳥らしくなります。ただし、この段階でもまだ飛べる状態ではありません。

🏠 孵化から巣立ちまでのステップ(ドバト基準)
Step1:孵化直後 — 長い黄色い産毛に覆われ、目は閉じたまま。ピジョンミルクで育つ
↓
Step2:5日目 — 目が開き、翼がはっきりわかるようになる
↓
Step3:10日目 — 全身に槍状の羽毛が伸び始め、巣の中で動けるようになる
↓
Step4:17日目 — ほぼ全身が羽毛で覆われる。20日目には6~7分程度に生えそろう
↓
巣立ち: 孵化から28~35日で巣立ち。近づかず、離れた場所から見守る

この時期に巣をのぞき込むと、ヒナが驚いて巣から飛び出してしまうことがあります。まだ飛べない段階で落ちれば、自力では戻れません。羽毛が生えそろってきた頃こそ、距離をとるべきタイミングです。

「1日半で体重2倍」という成長スピード

鳩のヒナの成長の速さは、ピジョンミルクという仕組みの産物です。親鳥が素嚢から分泌する粥状の物質は栄養価が高く、「1日半で体重が2倍になるほど、成長スピードが非常に早い」と説明されています。孵化直後の小さなヒナが、1か月足らずで親とほぼ変わらない大きさになるのは、この給餌方法があるからです。

やがてピジョンミルクによる給餌は、通常の吐き戻しによる給餌へと移行します。この切り替えが進むと、親鳥はより多くの餌を外で集める必要が出てきて、巣にいる時間が減っていきます。

この変化を知らないと、巣に親がいない時間が増えたことを「放棄」と誤解しやすくなります。実際には、ヒナが大きくなったぶん食べる量が増え、親が働きに出ているだけです。

観察のコツとしては、朝と夕方の時間帯を狙うことです。給餌の場面に立ち会える可能性が上がりますし、親鳥が巣に戻る瞬間は、ヒナが一斉に頭を持ち上げるので見応えがあります。

巣立ちの日数は種類で2倍近く開く

ドバトは孵化から28~35日かかる

孵化までの日数は種類による差が小さいのに、巣立ちまでの期間は大きく違います。ドバトはバードリサーチの資料で「孵化から28~35日で巣立ち」とされ、大阪市の説明でも「ヒナは約30日で巣立ちます」と記されています。つまり、卵が孵ってから1か月ほど、巣を使い続けることになります。

ベランダに巣を作られた場合、この1か月が問題になります。抱卵に16~18日、そこから巣立ちまで28~35日となると、卵を見つけてから巣が空くまで1か月半ほど見込む必要があるからです。そのうえ、鳩は年5~8回繁殖できるため、次のサイクルが始まる可能性もあります。

観察する側からすると、これは「じっくり成長を追える」ということでもあります。羽毛の変化が日ごとに進むため、同じ時間に同じ場所から写真を撮り続けると、変化が記録として残ります。

注意点として、巣立ちの日が近づくと、ヒナは巣の縁に出て羽ばたく練習を始めます。この時期に人が近づくと、準備ができていない状態で飛び出してしまうことがあります。最後の数日こそ、静かに見守るべき期間です。

キジバトはふ化日から15~17日で巣を離れる

キジバトはまったく違います。繁殖生態の研究報告では「巣立ちはふ化日から15~17日間である」と記録されており、ドバトの半分程度の期間で巣を離れます。抱卵15~16日と合わせても、卵から巣立ちまで1か月ちょっとという計算です。

この短さが、キジバトが年6~8回も繁殖できる理由の一つです。1サイクルが短ければ、それだけ多く回せます。庭木に巣を見つけて「来週また見に行こう」と思っていたら、もう空になっていた、ということが普通に起こります。

シラコバトはさらに短く、「雛は約2週間で巣立ちます」とされています。繁殖期は4~9月と長く、年に複数回繁殖することがあると記録されており、短いサイクルを繰り返すタイプです。

観察の失敗としてよくあるのが、ドバトの感覚でキジバトの巣を見に行き、タイミングを逃すことです。庭のキジバトを観察したいなら、孵化を確認したら間隔を空けずに通うのが正解です。

巣立った直後のヒナを拾わない

巣立ち直後のヒナは、まだ飛ぶのが下手です。地面や低い枝にいるところを見つけて「落ちている」と思い、保護しようとする人が毎年います。これは野鳥観察でもっとも多い失敗の一つです。

⚠️ 注意:地面にいるヒナを拾わない

巣立ち直後のヒナは、飛ぶ力が不十分なまま巣を離れます。親鳥は近くから見守り、餌を運び続けています。人が拾い上げると親子が引き離されることになり、鳥獣保護管理法上も、野鳥を許可なく捕獲・飼育することはできません。ケガや衰弱が疑われる場合は自分で保護せず、お住まいの自治体の鳥獣担当窓口に相談してください。

鳩の場合、羽毛がほぼ生えそろっているため見た目は成鳥に近く、「大きいのに動きがぎこちない」という違和感から心配されがちです。しかし、その状態こそが巣立ち直後の正常な姿です。

人が近くにいる間、親鳥は警戒して寄ってきません。その場を離れることが、結果的にヒナを助ける行動になります。どうしても気になる場合は、車や人の通行がない場所まで数メートル移動させる程度にとどめ、連れ帰らないことが大切です。

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巣が空いても終わりとはかぎらない

巣立ちが終わって巣が空になると、一区切りついたように見えます。しかし鳩は年5~8回繁殖できる鳥です。ドバトの産卵期は通年、キジバトも4~6月が中心ながら通年可能とされており、同じ巣が続けて使われることは珍しくありません。

ベランダで対策を検討している場合、巣が空になったこのタイミングが、法律上動ける数少ない機会になります。卵やヒナがいる状態では手を出せないため、空になった瞬間を逃さず清掃と侵入防止に取りかかるのが現実的な段取りです。

逆に観察を続けたい場合は、巣を残したまま静かに待てば、次の産卵に立ち会えるかもしれません。同じ場所で複数回のサイクルを記録できれば、季節による日数の違いを自分の目で確かめることもできます。

どちらを選ぶにせよ、「巣立ち=完了」ではないという前提を持っておくと、判断を誤りにくくなります。

ベランダや庭で卵を見つけたときの正解

卵に触れない、動かさないのが大原則

卵を見つけたとき、真っ先に守るべきなのは「触らない」ということです。鳩を含む野鳥は鳥獣保護管理法の対象で、卵の採取や巣の撤去は原則として許可なく行えません。これはドバトのような都市部で増えた鳥であっても変わりません。

「少し動かすだけなら」と思うかもしれませんが、卵の位置が変われば親鳥が巣を放棄する可能性があります。結果として卵が孵らなくなれば、それは意図せず命を絶つことになります。

また、衛生面のリスクもあります。鳩の巣やフンには汚れが蓄積しやすく、素手で触れるのは避けるべきです。掃除が必要になるのは巣が空になってからで、そのときも乾いたフンを掃き散らさないよう注意が必要になります。

「見つけてしまったら、まず何もしない」。これがもっとも安全で、法律的にも正しい第一歩です。そのうえで、次に説明する相談先を検討してください。

どこに相談すればいいのか

ベランダの巣をどうしても撤去したい場合、相談先は住んでいる自治体の鳥獣保護担当窓口になります。市区町村や都道府県が窓口を設けており、状況に応じた手続きや、専門業者への依頼が必要かどうかを案内してくれます。

大阪市のように、公式サイトで鳩の生態と対策の考え方を公開している自治体もあります(大阪市:ハトでお困りの方へ)。まずは自分の地域の公式情報を確認するのが確実です。

集合住宅の場合は、管理会社や管理組合への連絡も必要になります。ベランダは専有部分であっても共用部分としての扱いを受けることがあり、勝手にネットを張れないケースがあるためです。

やってはいけないのは、個人の判断で卵を処分することです。良かれと思ってしたことが法律違反になる可能性があるため、必ず公的な窓口を経由してください。

本当の勝負は巣ができる前

ここが対策の核心です。卵が産まれてしまった時点で、取れる選択肢は大きく減ります。交尾から4~5日で産卵に至る速さを考えると、「巣作りを見つけた段階」が事実上の最後のチャンスになります。

ドバトは「雨の降り込まない棚状の場所」を好むため、室外機の裏、配管まわり、ベランダの隅に置かれた荷物の上といった場所が狙われます。こうした場所に小枝が落ちているのを見つけたら、すでに下見が始まっているサインです。

この段階なら、まだ卵もヒナもいないため、巣材を片付けて物理的に入れないようにする対応が取れます。逆にこの数日を逃すと、1か月半ほど何もできない期間に入ります。

失敗例として多いのが、「様子を見よう」と1週間放置してしまうパターンです。鳩の繁殖のテンポは人の想像より速く、その1週間で状況が決定的に変わります。

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観察するなら距離と衛生を守る

撤去ではなく観察を選ぶ場合も、守るべき線があります。まず距離です。巣から離れた室内の窓越しや、数メートル離れた位置から双眼鏡で見るのが基本になります。毎日のぞき込めば、親鳥が巣を離れる時間が増え、孵化が遅れたり放棄につながったりします。

次に衛生です。巣のあるベランダでは、フンが乾いて舞い上がらないよう、洗濯物を近くに干さない、飲食物を置かないといった配慮が必要になります。掃除は巣が空になってから、乾いたフンを掃き散らさない方法で行います。

そして記録です。日付と気づいたことを短くメモしておくと、抱卵開始から孵化までの日数、孵化から巣立ちまでの日数を自分のデータとして残せます。「15~16日」「28~35日」といった資料の数字が、自分の目の前の巣でどうだったかを確かめられるのは、観察の醍醐味です。

観察と衛生は両立できます。近づかないことが、鳥のためにも自分のためにもなる、というのが鳩の巣とのつきあい方です。

知っておくと観察が変わる、鳩の卵の意外な話

実は、鳩には決まった繁殖シーズンがない

意外と知られていないのが、鳩が季節に縛られない鳥だということです。ツバメが春に来て秋に去り、その間だけ繁殖するのとは対照的に、ドバトの産卵期は通年、キジバトも産卵期は4~6月が中心ながら通年可能と記録されています。

これを支えているのがピジョンミルクです。虫を必要とする鳥は、虫が少ない季節には子育てができません。しかし鳩は、親が食べた穀物や種子を体内で加工してヒナに与えられるため、季節の制約から自由になっています。

だからこそ、真冬にベランダで卵を見つけても不思議ではありません。「今は繁殖期じゃないはず」という思い込みが、対応を遅らせる原因になることもあります。

観察の面では、これは大きな利点です。年間を通じてチャンスがあり、季節ごとの違い(低温で1~2日延びるかどうか)を比べることもできます。

🗓 キジバトの産卵・観察カレンダー
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
△ △ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ △ △ △

◎=産卵期の中心(4~6月) ○=見られる △=まれに見られる(通年繁殖は可能)

声で種類を先に絞り込む

巣を見つけたとき、鳥の姿が確認できなくても、声で種類が判別できることがあります。キジバトは「デーデーポッポー」とゆっくりしたテンポで鳴き、ドバトは「ポロッポー、ポロッポー」とテンポよく繰り返します。

この違いがわかると、孵化予定日の見立てが変わります。キジバトなら抱卵15~16日、ドバトなら16~18日と、1~2日の差が出るからです。さらに巣立ちまでの期間はキジバトがふ化日から15~17日、ドバトが28~35日と大きく開くため、観察計画そのものが変わってきます。

行動でも見分けられます。キジバトは1~2羽でいることが多く、ドバトは群れで行動します。庭木の上に1羽だけとまっているならキジバト、駅前に何十羽もいるならドバト、という判断でおおむね合います。

体長の差も手がかりです。キジバトが約33cm、ドバトが25~26cm程度と、実はキジバトのほうが一回り大きい鳥です。「街の鳩のほうが大きい」と思い込んでいる方が多いので、意外に感じられるかもしれません。

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場面別、どう向き合えばいいか

Q. ベランダ・庭・公園で、対応は変わりますか?
A. 変わります。ベランダは衛生と生活への影響があるため、巣ができる前に物理的に入れなくすることが最優先です。卵がある段階まで進んだら自治体の窓口に相談してください。庭木のキジバトは、生活への影響が少なければそのまま見守るのが自然な選択で、ふ化日から15~17日で巣立つため観察期間も短めです。公園では、巣に近づかないことと餌を与えないことが基本になります。餌やりは繁殖回数を押し上げる要因になり、自治体によっては条例で制限されています。

この3つの場面で共通しているのは、「近づかない」が最良の選択肢になる点です。観察したい場合も対策したい場合も、距離をとることが結果的にうまくいきます。

とくに公園での餌やりについては、鳩がもともと木の実や穀類を食べる鳥であることを踏まえておきたいところです。人の食べ物に依存させることは、鳩にとっても周囲の人にとっても良い結果を生みません。

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希少な鳩もいるという視点

「鳩は増えすぎて困る鳥」というイメージが強いかもしれませんが、それは主にドバトの話です。同じ鳩の仲間でも、シラコバトは現在100羽程度しか確認されていない希少な鳥で、埼玉県の県鳥にもなっています。

シラコバトは体長20~23cm、白身を帯びた茶色の体に、首の後ろの黒い輪状の線が特徴です。樹木の横枝に小枝やツルで皿形の巣を作り、2個の卵を14~16日間抱卵します。繁殖期は4~9月と長く、年に複数回繁殖することがあります(野鳥図鑑:シラコバト)。

つがいで生活し、繁殖期以外は小群をつくること、早朝に採食のため飛び立ち夕方に戻ること、警戒心がやや強いことなど、生態もドバトとは異なります。関東の限られた地域でしか出会えないため、見かける機会があれば貴重です。

「鳩」とひとくくりにせず、目の前の鳥がどの種類かを意識するだけで、観察の解像度は一気に上がります。孵化日数の違いも、その入口の一つです。

まとめ:鳩の卵は何日で孵化するのか、もう一度整理

🐦 この記事の結論

鳩の卵はドバトで16~18日、キジバトで15~16日ほどで孵化します。見つけても触らず、離れた場所から見守るのが正解です。

✅ 要点チェック
  • ✔ 孵化日数:ドバト16~18日、キジバト15~16日
  • ✔ 数え方:2個目を産んだ日から数えると当たる
  • ✔ 気温:寒い時期は1~2日ほど延びる
  • ✔ 巣立ち:ドバト28~35日、キジバト15~17日
  • ✔ 法律:卵とヒナのある巣は勝手に動かせない

鳩の卵は、白色で長さ3.1~4.0cm、幅2.4~3.2cmほどの楕円が2個。1~2日の間隔をあけて産まれ、抱卵が本格化するのは2個目のあとです。オスが日中に平均7時間、メスが夕方から翌朝にかけて平均17時間という分担で温め続け、ドバトなら16~18日、キジバトなら15~16日で殻を割ります。孵化したヒナはピジョンミルクで急速に育ち、5日目に目が開き、10日目に槍状の羽毛が伸び始め、17日目にはほぼ全身が羽毛に覆われます。

最初の一歩としておすすめしたいのは、巣の位置と日付をメモに残すことです。「親鳥が座り続けるようになった日」を起点に数えれば、孵化予定日はかなりの精度で見えてきます。あとは近づかず、窓越しや数メートル離れた場所から静かに見守るだけです。

※本記事の日数・数値は公的機関や研究報告で確認できた範囲の目安です。個体や環境により差があり、巣の撤去など具体的な対応については、お住まいの自治体の鳥獣担当窓口にご確認ください。

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野鳥の教科書編集部です。テーマに関する基礎知識や選び方を、公式情報など確認できる情報をもとに編集しています。掲載後も定期的に見直し、変更があれば更新します。

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