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ツバメよけは網目2cm以下のネットが基本|3月下旬からの数日で決まる対策の順番

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春先に軒下を見上げたら、壁に泥の点々が付いていた。そんな朝を迎えると、多くの人がまず検索するのが「ツバメよけ」という言葉です。フンが玄関先に落ちる、車のボンネットが汚れる、通るたびに親鳥が飛び出して驚く——巣ができてしまってからでは、対処の選択肢が一気に狭くなります。

結論から書きます。ツバメよけで結果を分けるのは、道具の種類ではなく着手した日です。ツバメの巣は早ければ2〜3日、遅くても1週間程度で形になります。そして卵が入った巣は、法律上、勝手に落とすことができません。つまり泥の跡に気づいてから数日が、自分で手を打てる最後の期間ということになります。

この記事では、防鳥ネットやテグスといった物理的な対策の「効く条件」を数値で示しながら、アルミホイルやハッカ油など光と香りの対策がどこまで期待できるのかを整理します。あわせて、100円ショップで揃うもの・揃わないもの、卵やヒナがある場合に何が禁止されているのか、そして追い出さずに共存する選択肢まで、順番に見ていきます。

📌 この記事でわかること

・ツバメよけに残された時間は「泥の跡を見つけてから数日」だけという理由
・防鳥ネットは網目2cm以下、テグスは0.3mm前後という具体的な規格
・アルミホイル・CD・ハッカ油が効く場面と、続かない場面の見分け方
・卵やヒナがある巣に手を出すと何が問題になるのか(鳥獣保護管理法)
・追い出さずに済ませる巣台とフン受けの寸法と設置位置

目次

ツバメよけは巣が形になる前の数日で決まる

ツバメよけは巣が形になる前の数日で決まるの解説画像

巣は早ければ2〜3日、遅くても1週間で完成する

ツバメの巣作りは、想像よりはるかに速く進みます。巣作りにかかる期間は早ければ2〜3日、遅くても1週間程度とされています。人間の側が「様子を見よう」と考えている間に、泥のかけらは椀を半分に切ったような形にまとまり、内側に枯れ草や羽毛が敷かれていきます。

速い理由は、材料が身近にあることと、夫婦で分担して運ぶことにあります。雨上がりの水たまりの縁や田んぼの畦から泥をくわえ、往復を繰り返して壁面に積み上げていく。1回に運べる量はごくわずかですが、往復の回数が積み重なると数日で形になります。

実際の判断としては、壁に泥が横一列に点々と付き始めた時点で「工事はもう始まっている」と考えてください。この段階なら濡れ雑巾で拭き取れますが、翌週には固まった土台になっています。

注意したいのは、途中まで作って放棄したように見える巣です。ツバメは適した場所を見つけると同じ壁で作り直すことがあり、「あきらめたようだ」と安心して数日空けると、いつの間にか完成しているというケースがあります。

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泥の点々を見つけた日が、対策のスタートライン

ツバメよけの初動としてもっとも確実なのは、巣材そのものを残さないことです。巣材(泥や藁など)を見つけたらすぐ撤去することで、巣作りをあきらめさせることができるとされています。まだ卵も巣もない段階なので、法律上の問題も生じません。

この方法が効くのは、ツバメが「ここは工事が進まない場所だ」と学習するからです。泥が定着しない壁面は、彼らにとって時間と体力の無駄になります。何度か積んでは消える経験をすると、別の候補地へ移っていきます。

具体的には、朝の出かける前に軒下と壁の上部をひと通り見上げ、泥の跡があれば固まる前に水を含ませた布で拭き取ります。乾いて固まった泥は、ヘラでこそげ落としてから拭くと跡が残りにくくなります。

豆知識として、拭き取りと同時に「次に泥が付きにくい状態」を作っておくと再挑戦を減らせます。同じ場所を毎朝拭くだけでは、相手の往復が続く限り根競べになります。後述するテープやネットを併用して、物理的に足場をなくすところまでを1セットと考えてください。

対策が効くのは3月下旬から6月初旬まで

ツバメは3月下旬〜4月上旬頃に東南アジアから日本へやってきます。そして3月下旬から6月初旬が、巣作りが活発になる時期にあたります。ツバメよけの準備は、この期間に入る前に終えておくのが理想です。

時期を区切って考えるべき理由は、産卵が始まると打てる手が変わるからです。産卵期は4月末〜7月末(通常は4月〜5月に産卵)とされ、卵が入ってしまえば巣に触れられなくなります。物理的な対策を設置できるのは、あくまで産卵前です。

行動に落とすなら、桜の便りが届く頃に去年の営巣跡を確認し、必要な資材を先に用意しておくのが現実的です。渡ってきたツバメが下見を始めてからホームセンターへ走ると、その数日で泥が付き始めます。

見落としやすいのが、夏の後半にもう一度訪れる山です。ツバメは条件が合えば二番子を育てるため、6月を過ぎたから安心とは限りません。産卵期が7月末まで続くことを踏まえ、初夏まではネットやテープを外さずに残しておくのが安全です。

📌 押さえておきたいポイント

ツバメよけは「気づいたら即日」が原則です。巣は早ければ2〜3日で形になり、卵が入れば自分では動かせなくなります。3月下旬〜6月初旬が巣作りの活発期なので、資材はその前に手元へ用意しておきましょう。

【失敗例1】「まだ巣じゃない」と数日待って手遅れになる

もっとも多い失敗が、泥の跡を見て「まだ巣とは言えないから、もう少し様子を見よう」と判断してしまうパターンです。数日後に見上げると土台が固まり、さらに数日で内装まで整い、気づいたときには親鳥が座っていた——という流れが典型です。

原因は、巣作りのスピードを人間の工事のイメージで考えてしまうことにあります。2〜3日で完成しうるという前提を知らないと、「週末にやろう」という判断が致命的な遅れになります。

対策はシンプルで、判断を先送りにしないことです。泥の跡を見つけたその日に拭き取り、同じ日のうちにテープを貼るかネットを掛けるところまで進めます。資材が届いていなければ、応急処置として幅広のガムテープを貼っておくだけでも足場は減らせます。

もう一点、家族間の情報共有も見落とされがちです。誰かが「泥が付いてるね」と気づいても、対策担当者に伝わらないまま数日が過ぎることがあります。営巣されやすい玄関や勝手口は、春の間は全員が見上げる習慣を作っておくと確実です。

なぜ我が家の軒下が選ばれるのか、17cmの鳥の事情

全長17cm・体重18.6gの鳥が軒下を選ぶ理由

ツバメは全長17cm、翼開長32cm、体重18.6g(15.6〜24.0g)という小さな鳥です。背は光沢のある青黒色、腹は白色、喉と額は赤褐色。この体で泥を運び、垂直の壁に椀を半分に切ったような巣を貼り付けます。

彼らが軒下を好むのは、雨が当たらず、上に屋根がある構造だからです。泥でできた巣は雨に弱く、直接濡れる場所では崩れてしまいます。人家の軒下や店舗の入口周りは、この条件を満たす場所として都合が良いわけです。

見分けの目安として、オスとメスは尾羽の長さが違います。尾長はオスが89.6mm(77〜110mm)、メスが77.3mm(68〜92mm)。飛び回る2羽を見比べて、尾の切れ込みが深く長いほうがオスだと考えると観察しやすくなります。

覚えておきたいのは、彼らにとって「良い場所」の条件が人間の生活動線と重なりやすいことです。玄関灯の上、ガレージの梁、勝手口の照明器具——雨がかからず、上から覆われ、足がかりがある場所は、たいてい人の出入りが多い場所でもあります。ツバメよけを考えるときは、この重なりを前提に置いてください。

🐦 野鳥スペックカード(ツバメ)
全長17cm
翼開長32cm
体重18.6g(15.6〜24.0g)
日本にいる時期3月下旬〜4月上旬に飛来、9月頃に南へ渡る
主な食べ物飛翔性昆虫(体長4〜15mm程度の虫を好む)
巣の形半分に切った椀型(泥と枯れ草)

飛ぶ虫を追う暮らしが、人の家の近さを決めている

ツバメは飛翔中に昆虫を捕食する鳥です。地面をつついたり枝先を探ったりするのではなく、空中を飛びながら口を開けて虫を捕らえます。この採餌方法が、彼らの営巣場所を決めています。

捕らえる相手はカゲロウ、トビケラ、ハチ、ハエ、チョウ、アブ、ユスリカ、羽アリ、トンボ、ガガンボなど。体長4〜15mm程度の虫を効率的に選んで食べていることが知られています。つまり、そうした虫が飛び交う開けた空間が近くにあることが条件になります。

具体的には、田畑や河川、公園、水路のそばにある家は候補になりやすい環境です。逆に高い塀に囲まれて飛び回るスペースがない場所は、条件としては不利になります。自宅の周りに開けた空間があるかどうかは、営巣されやすさの目安になります。

ここで誤解されやすいのが「餌をやれば別の場所へ移る」という発想です。ツバメが食べるのは飛んでいる虫なので、地面や台に置いた餌はそもそも届きません。餌で誘導するという方法はツバメには通用しないと考えてください。

カラスから逃げるために、あえて人のそばへ来る

ツバメがわざわざ人の出入りする場所を選ぶのには理由があります。天敵から巣を守るためです。ツバメの敵として最大の存在はカラスで、巣立ち失敗原因のアンケートではカラスの襲撃が23%を占めていました。

カラスは人が頻繁に通る場所を警戒します。そのためツバメは、人の気配がある玄関先や店先を「カラスが近づきにくい安全地帯」として利用します。人にとっての迷惑は、ツバメにとっての生存戦略というわけです。

天敵はカラスだけではありません。オナガは細長い体型でカラス避けネットをくぐり抜けて巣を襲い、モズは小鳥を枝に突き刺してから食べる習性で大きなヒナも捕食します。イソヒヨドリは卵や小さなヒナを狙い、チョウゲンボウはヒナを足でつかんで飛び去ります。壁を登るアオダイショウや、踏み台があれば届いてしまうネコも脅威です。

この事情を知っておくと、対策の設計が変わります。ツバメを追い出した軒下は、次の年も同じ理由で候補地に選ばれ続けます。「今年しのげば終わり」ではなく、毎年春に繰り返す前提で、外しにくく壊れにくい方法を選ぶほうが結果的に手間が減ります。詳しい天敵の一覧はツバメ観察全国ネットワークの解説にまとまっています。

🗓 ツバメの巣作り警戒カレンダー
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

◎=巣作りが活発(対策の要) ○=飛来・巣立ちの時期で要注意 △=日本ではほぼ見られない時期

羽と足を邪魔する物理対策が本命になる

羽と足を邪魔する物理対策が本命になるの解説画像

防鳥ネットは網目2cm以下が分かれ目

ツバメよけでもっとも確実性が高いのが、防鳥ネットで営巣場所そのものを覆ってしまう方法です。網目は2cm以下がおすすめとされ、25mm目の防鳥ネットはスズメなどの小さな小鳥からカラスまで幅広く防鳥用として使え、小鳥も侵入できないと説明されています。

目の細かさが重要なのは、隙間があれば体を折りたたんで通り抜けてしまうからです。全長17cm・翼開長32cmという数字は羽を広げた状態のもので、翼をたたんだツバメの胴回りはずっと小さくなります。大きな網目のネットは「壁」ではなく「窓」になってしまいます。

材質は用途で選び分けます。ポリエチレン製は軽量で耐候性・耐紫外線性に優れ、農業や家庭用に広く使われます。ナイロン製は強度が高く伸縮性に優れ、鳥の衝突や引っ張りに強いのが特徴です。軒下に張りっぱなしにするなら耐候性、風の強い場所なら強度を優先すると失敗が減ります。

設置で気をつけたいのは、隅の処理です。上部だけ留めて下が開いていると、そこから回り込んで内側に入られます。ネットは壁面に沿ってたるませず、四辺すべてを固定するのが基本です。屋根面に張るタイプは上から降りてくる侵入を、壁面に張るタイプは横からの侵入を防ぐ役割があり、軒下の形状に合わせて張る面を決めます。

テグスは0.3mm前後を、羽が触れる位置に張る

ネットほど大がかりにしたくない場合の選択肢がテグスです。鳥よけ用に張るテグスは、日の当たる角度によって飛んでいる鳥から見えたり見えなかったりする直径0.3mmほどの細い糸が効果的だとされ、太さは0.3mm前後が強度・効果ともに最適とされています。

効く仕組みは、視覚ではなく触覚です。鳥は体に物が触れることを嫌う習性があり、見えない糸に引っかかったり、体の一部がテグスに触れたりするとすぐに飛び立ちます。着地しようとするたびに羽が何かに触れる場所は、巣作りの候補から外れていきます。

張り方のコツは、しっかりと強く張ることです。たるんだ糸は触れても押しのけられてしまいます。バネや釣り用のより戻しを使うと張力を保ちやすくなります。また一段だけでなく二段にして張るのも効果があるとされ、上下に間隔を空けて張ると回避されにくくなります。

高さの目安は場所によって変わります。畑の葉物野菜では地面から高さ30cm程度のところに横に張る方法が紹介されていますが、軒下の営巣対策ではこの数値をそのまま当てはめられません。狙うのは「壁に取り付こうとするツバメの羽が触れる位置」で、泥が付き始めた高さの少し手前と、そこから上下に離した位置の二段を基本に考えてください。

幅広ビニールテープが「一番効いた」と報告される理由

手軽さと効果のバランスで注目したいのが、幅広のビニールテープです。ある実践報告では、幅広のビニールテープをツバメが羽を広げた時に邪魔になる間隔で取り付けるだけで解決し、この方法が一番効果があり、15年間はツバメが巣作りをしなかったとされています。

理屈はテグスと同じで、翼が広がる空間を物理的に妨げることにあります。壁に取り付く瞬間、ツバメは翼を広げてバランスを取ります。そこにテープの帯があると姿勢が安定せず、泥を押し付ける作業ができません。

実践するときは、テープを貼る位置ではなく間隔を意識してください。壁一面を覆う必要はなく、翼幅を邪魔する間隔で数本の帯を垂らす、あるいは横に貼るだけで足ります。ツルツルした素材を貼りつけて巣をつけにくくするという効果も同時に得られます。

注意点は、粘着面と外壁の相性です。塗装面や木部に強粘着のテープを長期間貼ると、剥がすときに表面を傷めることがあります。目立たない場所で試してから広げる、シーズン終了後に早めに剥がす、といった配慮をしておくと後悔が減ります。

4つの物理対策、どれを選ぶ?シーン別の使い分け

ここまでの方法を並べて比べると、選ぶ基準が見えてきます。以下は野鳥の教科書調べとして、規格・向いている場所・弱点を整理したものです。

比較項目 防鳥ネット テグス 幅広ビニールテープ アルミホイル
止める仕組み 空間をふさぐ 羽と体に触れる 翼を広げさせない 滑らせる+反射
目安の規格 網目2cm以下 太さ0.3mm前後 翼を邪魔する間隔 貼る・吊るす
向いている場所 奥行きのある軒下・ガレージ 梁や照明の上など点で狙う場所 玄関脇の狭い壁面 凹凸のある壁・ベランダ
弱点 隅が開くと回り込まれる たるむと効果が落ちる 外壁を傷める場合がある 風で飛ぶ・破れる

使い分けの考え方はこうです。ガレージや倉庫のように奥行きがあって出入口を面でふさげる場所は防鳥ネット。玄関灯の上や梁の一点だけが狙われる家はテグス。賃貸で大掛かりな設置ができない場合は、貼って剥がせる幅広テープ。店舗の軒先などで見た目を損ねたくない場合は、必要な範囲だけテグスを二段に張るのが現実的です。

実は、ここでいちばん見落とされているのが「複数を組み合わせる」という発想です。単独の道具で完璧を狙うより、テープで翼を邪魔しつつ、その周囲にテグスを張るほうが、回り込みの余地が減ります。ツバメは同じ壁で角度を変えて何度も試すため、面ではなく空間を塞ぐ意識が効きます。

光と香りの対策はどこまで効くのか

アルミホイルが効く仕組みは「滑る」と「反射」の二段構え

手元にあるもので試せる対策として定番なのがアルミホイルです。凹凸がある壁はツバメが巣作りしやすい場所になるため、巣が作られそうな壁にはアルミホイルを貼り付けて滑りやすくしておくと効果があるとされています。

効く理由は2つあります。ひとつは太陽光を不規則に反射する光が、ツバメにとって天敵の動きに見えること。もうひとつは風で揺れる不安定な動きに対する警戒です。加えて、貼ることで壁面が滑らかになり、物理的に巣作りしにくくなります。滑りやすい床に立たされているような感覚に近く、安心できない場所を本能的に避けると説明されています。

実際の使い方は2通りです。壁に直接貼って足場をなくす方法と、窓枠の外側や軒下に吊り下げて揺らす方法。吊るす場合はガムテープで上部を補強すると、風で飛ばされる心配が減ります。反射テープやCD・DVDを加えれば、より多様な光の反射や動きが生まれて威嚇効果が強まります。

注意したいのは、万能ではないという点です。すでに巣作りが始まっている場合や、設置方法を間違えた場合はほとんど意味がなくなるケースもあると指摘されています。アルミホイルは「まだ手を付けられていない壁を守る」ための予防策と位置づけてください。

CD・反射テープ・ビニールカラスの実力

光り物の代表格であるCDや反射テープは、キラキラ光る素材としてツバメが警戒するとされています。吊るして風で回転させると、光の点が不規則に動き、鳥から見れば落ち着かない場所になります。

もう一段強い威嚇として知られるのが、天敵の姿を模した鳥よけです。ダイソーで販売されているビニールカラス(空気を入れて吊るすタイプの鳥よけ・吊りひも付)を設置したところ、ツバメ2羽が離れたところから観察したあと、翌日から全く来なくなったという報告があります。

使うなら、設置場所は「ツバメが取り付こうとする壁がよく見える位置」です。軒下の奥に隠れるように吊るしても、飛来する側からは見えません。玄関前を旋回する彼らの視線に入る高さと向きを意識して吊るします。

ただし、視覚に訴える対策は慣れられる可能性がある点を織り込んでおく必要があります。動かない物体は、日を追うごとに脅威として認識されにくくなります。光り物や模型は物理対策と組み合わせ、位置を時々変えるという運用にしておくと、単独で使うより長持ちします。

ハッカ油スプレーは1〜2時間で薄れる

匂いで遠ざける方法として挙がるのがハッカ油です。ハッカの香りは鳥類が避ける傾向があり、毎日スプレーする習慣が有効とされています。ハッカ油は日本に生息しているハッカソウというミントを乾燥させ、水蒸気蒸留して抽出した精油です。

ここで正しく理解しておきたいのは、持続時間です。効果の持続時間は1〜2時間程度と短く、こまめにスプレーするのがすすめられています。つまり朝に一度吹きかけただけでは、日中の巣作りタイムにはほとんど残っていません。

現実的な使い方としては、単独の主力ではなく、拭き取り作業とセットにする補助手段と考えるのが妥当です。泥の跡を拭き取ったあとに吹きかけて、その日の再挑戦を鈍らせる。翌朝また拭いて吹く。この繰り返しを、ネットやテープの設置が完了するまでのつなぎとして使います。

使用上の注意もあります。肌の弱い人が触れると肌荒れを引き起こす恐れがあり、赤ちゃんには刺激が強すぎる場合があります。妊娠授乳期の使用は避けるべきとされています。玄関先など人が触れる場所に吹きかけるときは、家族構成を踏まえて判断してください。ハッカ油は香りで虫を遠ざけるスプレーであり、殺虫能力はありません。

⚠️ 注意:光と香りは「補助」と考える

ハッカ油スプレーの効果持続は1〜2時間程度で、毎日繰り返す前提の方法です。アルミホイルやCDも、すでに巣作りが始まっている場所ではほとんど意味がなくなるケースがあります。光と香りは、ネット・テグス・テープといった物理対策までのつなぎ、または補強として使いましょう。肌の弱い方や乳児のいるご家庭では、ハッカ油の使用場所に配慮してください。

【失敗例2】吊るして安心し、外れたまま春を過ごす

2つ目の典型的な失敗は、対策を「設置した時点で完了」と考えてしまうことです。3月にCDを吊るし、4月の強風でひもが切れ、5月に見上げたら巣ができていた——という流れが実際に起きます。

原因は、光り物や吊り下げ型の対策が屋外の風雨に弱いことにあります。アルミホイルは破れ、ひもは擦れて切れ、テープは日差しで粘着力が落ちます。設置直後の状態がシーズン中ずっと続くわけではありません。

対策は、点検を予定に組み込むことです。巣作りが活発になる3月下旬から6月初旬までは、週に一度、玄関先を見上げて「吊るしたものが残っているか」「テープが浮いていないか」「ネットの隅が開いていないか」を確認します。所要時間は数十秒です。

あわせて、風で飛ばされにくい留め方にしておくと点検の負担が減ります。吊り下げ型はガムテープで上部を補強する、ネットは四辺を結束バンドで固定する、といった一手間が、シーズン終盤の差になります。

100均で揃うツバメよけと、そこでは買えないもの

ダイソー:空気を入れて吊るすビニールカラス

ツバメ対策のグッズは、ダイソー・セリア・キャンドゥといった100円ショップでも扱われています。ダイソーで手に入るものとして知られているのが、空気を入れて吊るすタイプの鳥よけであるビニールカラスです。吊りひもが付いており、届いたその日に設置できます。

天敵の姿を使う対策が候補になるのは、ツバメにとってカラスが最大の脅威だからです。巣立ち失敗原因の23%がカラスの襲撃という数字が示すとおり、カラスの存在は営巣地の選定に直結します。

設置例として、ビニールカラスを吊るしたところツバメ2羽が離れたところから観察したのち、翌日から全く来なくなったという報告があります。飛来してくる方向から見える位置に、風で少し揺れる状態で吊るすのがポイントです。

注意点は、在庫と売り場です。この種のグッズはベランダ用品コーナーで販売されることが多く、季節商品として春先に並びます。取り扱いは店舗によって異なるため、最寄りの店舗での確認が必須です。3月に入ってから探し始めると、売り切れていることがあります。

セリア:防鳥ネット0.65×3mは結束バンドとセットで

物理対策の入口として使えるのが、セリアの防鳥ネットです。0.65×3mのサイズで、結束バンドとセットにすると税込330円程度で揃えられます。小さな軒下や勝手口の一角なら、この規模で足りることがあります。

ネットを選ぶときに確認したいのは、やはり網目です。ツバメよけとして機能させるには網目2cm以下が目安になります。目の粗いネットは風でばたつくだけで、侵入を止められません。パッケージの表示を必ず見てください。

実際の設置では、結束バンドが主役になります。軒の縁やフック、既存の金物にネットの四辺を固定し、たるみを作らないように張ります。100円ショップのネットは薄手のものが多いので、四辺の固定点を増やして力を分散させるのがコツです。

限界も知っておきましょう。ガレージ全体や広い軒下を覆うには、この幅と長さでは足りません。継ぎ足せば隙間ができ、そこから回り込まれます。広い面を守るなら、最初からホームセンターや通販で必要なサイズのネットを買うほうが結果的に確実です。

キャンドゥのアルミホイルと、100均では買えないもの

キャンドゥで手に入るアルミホイルは、ベランダに吊るして光を反射させるツバメ対策に活用できます。台所用のものをそのまま使えるので、追加の出費なく今日から試せるのが利点です。反射テープ、CD/DVD、キラキラ紐といった光を反射させるグッズも同じ役割を果たします。

100円ショップの強みは、初動の速さにあります。泥の跡を見つけたその日に、アルミホイルとガムテープだけで応急処置ができる。この即応性は、2〜3日で巣が完成するツバメ相手には大きな意味を持ちます。

一方で、100円ショップでは揃わないものもあります。0.3mm前後のテグスを強く張るためのバネやより戻し、耐候性の高いポリエチレン製の大判ネット、外壁を傷めにくい幅広テープなど、シーズンを通して張りっぱなしにする資材は専門店やホームセンターの領域です。

おすすめの進め方は二段構えです。まず100円ショップのアルミホイルや小型ネットで当日をしのぎ、週末までに本命の資材を用意して恒久的な対策へ切り替える。この順番なら、資材の到着を待つ数日で巣が完成してしまう事態を避けられます。

Q. 100円ショップのグッズだけでツバメよけは完結しますか?
A. 狭い一角を守るだけなら足りることがあります。セリアの防鳥ネット0.65×3mは結束バンドとセットで税込330円程度、キャンドゥのアルミホイルも使えます。ただし、ガレージのような広い面を覆う大判ネットや、テグスを強く張るためのバネ・より戻しは100円ショップでは揃いません。取り扱い商品は店舗によって異なるため、最寄りの店舗で確認したうえで、足りない分をホームセンターで補うのが現実的です。

卵とヒナがあるかで、できることが変わる

巣に手を出す前に確認したい、鳥獣保護管理法の線引き

ツバメよけを考えるうえで、絶対に外せないのが法律の話です。鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等をしてはならない(鳥獣保護管理法8条)とされており、違反者には1年以下の懲役または100万円以下の罰金が定められています。

この規定があるため、卵やヒナが入った巣は、たとえ自宅の壁であっても勝手に落とすことができません。府や市町村の許可なく卵やヒナがいる野鳥の巣を撤去することは、鳥獣保護管理法により禁止されていると自治体も明示しています。

判断の順番はこうです。まず巣の中を確認する。卵もヒナもいなければ、空の巣は土地・建物管理者による撤去が可能です。卵やヒナがある場合は、そこで手を止めます。脚立に登る前に、双眼鏡や鏡で中の様子を確かめてください。

気をつけたいのは、「まだ小さいから」「卵は1個だけだから」といった自己判断です。数や大きさは線引きに関係ありません。中身があるかどうかが唯一の分岐点だと考えてください。制度の詳細は環境省の鳥獣の捕獲等に関するページで確認できます。

自分で撤去できるのは、産卵前か巣立ち後だけ

ツバメの巣を自力で撤去できるのは、卵を産む前、もしくはすでにヒナが巣立ったあとのみに限られます。この2つの窓が、住む側に許された時間です。

産卵前の窓は、想像以上に短く設定されています。飛来が3月下旬〜4月上旬、産卵が通常4月〜5月ですから、作りかけの巣に対応できるのは実質数週間です。しかも巣自体は2〜3日で形になるため、気づいてからの余裕はさらに短くなります。

巣立ち後の窓は、比較的落ち着いて作業できます。孵化までが約2週間、孵化から巣立ちまでが約3週間、巣立ちは8月頃です。ただしツバメが二番子を育てる可能性があるため、巣立った直後にすぐ撤去してよいかは、親鳥が戻ってきていないかを数日観察してから判断するのが安全です。

そして撤去後こそが本番です。空の巣を落としただけでは、翌春に同じ壁で作り直されます。撤去とセットでネットやテープを設置し、次のシーズンに備えるところまでを一連の作業と考えてください。

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迷ったら自治体へ、が最短ルート

卵やヒナがいる巣をどうしても動かす必要がある場合、判断を自分で下してはいけません。自治体の許可という手続きが用意されているので、まずは市区町村の担当窓口に相談するのが正しい順番です。

相談が必要になるのは、住居の安全や衛生に関わるケースです。避難経路をふさいでいる、食品を扱う場所の真上にある、といった事情は個別に判断されます。窓口では、巣の位置・中身の状態・困っている具体的な内容を伝えられるようにしておくと話が早く進みます。

問い合わせ先は自治体によって環境課・生活衛生課などに分かれます。ウェブサイトで「鳥獣保護」「野鳥の巣」といったキーワードから該当ページを探すと、担当部署と連絡方法が案内されています。長岡京市のように、野鳥の巣の扱いを明記している自治体もあります。

知っておきたいのは、相談した結果「巣立ちまで待ってください」と案内されることが多いという点です。孵化から巣立ちまでは約3週間。ツバメ保護と人間の生活(フン対策、カラス対策など)を両立させる方向で考えるほうが、結果的に早く落ち着くこともあります。

⚠️ 注意:卵・ヒナのある巣は自己判断で動かさない

鳥獣保護管理法では鳥の捕獲や卵の採取が禁止されており、違反には1年以下の懲役または100万円以下の罰金が定められています。自力で撤去できるのは、卵を産む前か、ヒナが巣立ったあとのみです。中身のある巣で困っている場合は、市区町村の担当窓口に相談してください。

追い出さずに済ませる選択肢もある

フンが落ちるのは、子育て期間中の約2週間

ツバメよけを検討する動機の多くはフンです。ただ、期間を知ると印象が変わります。日本野鳥の会によれば、フンが落ちるのは子育て期間中の2週間程度です。1年中汚れ続けるわけではありません。

この期間に集中する理由は、ヒナの成長段階にあります。小さいうちは親鳥が巣内を清掃しますが、大きくなるにつれて巣の縁からフンを外へ落とすようになります。ヒナが巣立てば、その日から落下は止まります。

実際の判断材料として、「2週間だけの汚れなら、ネットを張る手間より掃除のほうが楽かもしれない」という選択肢が出てきます。とくに玄関から少し離れた軒下や、車が入らないガレージの隅なら、期間限定と割り切る余地があります。

実は、ここが多くの人が見落としているポイントです。追い出す対策は毎年春に繰り返す必要がありますが、共存を選べばフン受けの設置と数週間の清掃で済みます。どちらが自分の生活に合うかを、期間の実数を知ったうえで比べてみてください。

フン受けは巣の直下から50cm以上離す

共存を選ぶなら、フン受けの設置が中心になります。日本野鳥の会が示す方法は、地面に段ボール箱を置き、新聞紙を中敷きにして定期的に交換するというものです。特別な道具はいりません。

置き場所には条件があります。巣の直下から50cm以上離した場所に設置し、粘着テープで固定し、カラスの足場にならないよう軽量にする——この3点が守られていないと、フン受けそのものが危険を招きます。

50cm以上離す理由は、真下に物があるとカラスやネコの踏み台になりかねないためです。軽量にするのも同じ理屈で、乗っても安定しない状態にしておくことが巣の防御につながります。

設置のタイミングは、ヒナが孵化してから置くか、巣台を設置するときにあわせて作るのが基本です。抱卵中に人が巣の周りで作業すると、親鳥が巣を離れる原因になります。市販品では未来工業のスワローサポートという商品も利用できます。

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燕の対策は巣が完成する2〜3日が勝負|フン受けは巣から40cm離すのが正解
軒下に泥のあとが点々とついていて、見上げたら黒い鳥がすっと飛び去った——その瞬間から、ツバメとの付き合い方を決めるカウントダウンが始まっています。ツバメの巣は早…

場所を変えてほしいなら、巣台という手がある

「この壁は困るが、別の場所ならかまわない」という場合の選択肢が巣台です。現代建築の滑らかな外壁ではツバメが巣を作りにくいため、巣台を設けることで営巣を諦めるのを防ぎつつ、位置を誘導できます。

寸法には目安があります。幅13cm×奥行き9cm前後の大きさがあれば土台になり、泥を盛っていきやすくなります。取り付け高さは、天井と巣台の板の距離が12〜14cm程度空くようにすると、巣が完成したときに天井と巣の距離が6〜8cm程度になります。重さの目安は壁付け型で約170g、置き型で約120gです。

設置場所の原則は、ツバメがすでに泥を付けている場所か、その近くに置くことです。まったく無関係な場所に付けても使われません。あわせて、雨や直射日光が当たらないか、ツバメが出入りしやすいか、カラスから見えないか、蛇やネズミが侵入できないかを確認します。天井に近い位置が適しています。

向いているのは、人通りが多い駅やコンビニなどの商業施設、複数のツバメが営巣している地域、電線がある場所、1階の人出入りが多い軒下、奥行きのある軒下やガレージです。逆に人通りのない庭側、浅い軒下、2階以上、ベランダ、樹木が近くにある場所は避けます。複数設置する場合は、ペア同士が互いの顔を合わせない位置関係にする必要があります。大きすぎる巣台は利用されなくなる傾向があるので、寸法を守ってください。

受け入れるなら、カラス対策までがセット

共存を選んだ場合、避けて通れないのがカラス対策です。カラスの襲撃は巣立ち失敗原因の23%を占めます。せっかく巣台を用意しても、襲われてしまえば意味がありません。

カラスは下から巣を蹴り落とします。対策としては、巣の下にツバメが通過できる隙間を空けてヒモを張る、ネットを設置する、巣の下に板を設置するという方法が示されています。ツバメが出入りできる隙間を残すのが要点です。

タイミングも重要で、抱卵が始まったら設置する必要があります。ヒナが孵ってから慌てて脚立を立てると、作業そのものが親鳥のストレスになります。卵を確認した段階で準備を進めるのが理想です。

カラス以外の天敵にも目を配りましょう。オナガは細長い体型でカラス避けネットをくぐり抜けます。アオダイショウは垂直の壁を登ってくるため、ビニール袋を貼り付けると滑って登れなくなります。ネコは高さのある巣には届きませんが、踏み台があると危険です。対策の詳細は日本野鳥の会のツバメ保護のページにまとめられています。

🏠 ツバメよけ 実行ステップ
Step1:巣の中身を確認する(卵・ヒナがあれば作業は中止し、自治体へ相談する)
Step2:その日のうちに巣材を落とす(泥や藁を固まる前に拭き取る)
Step3:足場をなくす(網目2cm以下のネット、0.3mm前後のテグス、幅広ビニールテープのいずれかを設置)
Step4:補助対策を足す(アルミホイル・反射テープ、拭き取り後のハッカ油スプレー)
完了! 3月下旬〜6月初旬は週1回見上げて、外れや隙間がないか点検を続けましょう

まとめ:ツバメよけは「気づいた日に動く」がすべて

🐦 この記事の結論

ツバメよけは、泥が付き始めた数日でほぼ決まります。網目2cm以下のネットかテグスで足場をなくし、卵が入る前に手を打ってください。

✅ 要点チェック
  • 勝負は数日:巣は早ければ2〜3日で形になる
  • 網目2cm以下:防鳥ネットは目の細かさが命
  • テグス0.3mm:強く張り、二段にすると回避されにくい
  • 光と香りは補助:ハッカ油は1〜2時間で薄れる
  • 卵とヒナは触らない:撤去は産卵前か巣立ち後だけ

ここまで見てきたとおり、ツバメよけの成否を決めるのは道具の値段ではありません。3月下旬〜4月上旬に飛来した彼らは、条件の合う壁を見つけると2〜3日で巣を形にします。だから今日できる最初の一歩は、玄関先と勝手口の上を見上げて、壁に泥の点々が付いていないか確かめることです。跡があれば固まる前に拭き取り、その日のうちにアルミホイルか幅広テープで足場を減らす。本命のネットやテグスは、その週末までに整えれば間に合います。もし巣の中に卵やヒナがある段階なら、手を出さずに市区町村の窓口へ相談してください。フンが落ちるのは子育て期間の2週間程度なので、フン受けを置いて見送るという選択も現実的です。

※商品の取り扱い状況や自治体の対応方針は変わることがあります。購入前・相談前に最新情報を公式サイトや各自治体の窓口でご確認ください。

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この記事を書いた人

野鳥の教科書編集部です。テーマに関する基礎知識や選び方を、公式情報など確認できる情報をもとに編集しています。掲載後も定期的に見直し、変更があれば更新します。

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