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巣箱の作り方は100均の板3枚で足りる|穴の直径2.8cmが成否を分ける理由

ホームセンターの木材売り場で価格を見て、そっと引き返した経験はありませんか。巣箱は作ってみたいけれど、板を一式そろえたら数千円かかりそうだし、電動工具も持っていない。そんな理由で「いつか作ろう」のまま何年も過ぎている人は少なくありません。

結論から言うと、シジュウカラ用の巣箱は100円ショップの桐板3枚、税込330円ぶんの材料で形にできます。必要な工具ものこぎり・きり・紙ヤスリ・木工用ボンドだけで、すべて100均の棚に並んでいます。ただし、そこに落とし穴がひとつあります。安く作れるかどうかより、出入り口の直径と箱の高さという数字を守れるかどうかで、鳥が入るか入らないかが決まってしまうことです。

この記事では、東京都環境局が公開している巣箱の寸法表を土台に、100均で買える板のサイズから逆算した板取りを紹介します。どの木材を選べば梅雨を越せるのか、いつ木にかければ春に間に合うのか、そして入居してからやってはいけないことまで、順番に見ていきましょう。材料費を抑えることと、鳥に選ばれる巣箱を作ることは、両立できます。

📌 押さえておきたいポイント

・シジュウカラ用の出入り口は直径2.7〜3.0cm。ここを外すと入居者が変わる
・100均で選ぶべきは桐の板材(45cm×20cm×0.9cm・110円)。MDFと薄い合板は屋外で持たない
・板3枚=330円で6パーツが取れる板取りと、7工程の組み立て手順
・かける時期は秋〜冬。繁殖は3月〜5月に始まるので、春に作り始めると1年待つことになる

目次

巣箱の作り方を100均でそろえる前に、決めておきたい3つの数字

出入り口の直径2.7〜3.0cmが、入居者の顔ぶれを決めている

巣箱づくりでいちばん神経を使う数字は、出入り口の直径です。東京都環境局が公開している巣箱教室の資料では、シジュウカラ・スズメ用の出入り口の直径は2.7〜3.0cmとされています。ムクドリ用になると4.0〜6.0cmで、同じ「小鳥の巣箱」でも別物の設計です。

なぜこれほど厳密なのかというと、穴の大きさが「入れる鳥」と「入れない鳥」を仕分けるフィルターとして働くからです。穴が大きければ大きいほど親切そうに思えますが、実際には体の大きい鳥や、卵やヒナを狙う相手が侵入しやすくなります。逆に小さすぎれば、体重14gほどのシジュウカラでも出入りに手間取ります。

庭で判断するときの目安は、ペットボトルのキャップとほぼ同じ大きさ、と覚えておくと現場で迷いません。定規を当てて2.8cmを狙い、丸く開けたあとに紙ヤスリで内側をなでる程度に整えます。ここで削りすぎると3.5cmになってしまうので、削るのは「ささくれを取る」ぶんだけにとどめてください。

やりがちな失敗は、手元にあった缶や瓶の底をなぞって穴の型を取ることです。空き缶の直径は5.2cmや6.6cmが多く、なぞった時点でムクドリ用のサイズになります。型を使うなら、直径を実測してから鉛筆を入れましょう。

高さ18〜23cm、幅と奥行き12〜15cmが「基本型」の輪郭

箱そのものの大きさは、シジュウカラ・スズメ用で高さ18〜23cm、奥行きと幅は12〜15cmが基準です。この範囲に収まっていれば、多少の誤差は問題になりません。100均の板は1枚45cm×20cmなので、この寸法なら板を大きく余らせずに使い切れます。

この大きさに理由があるのは、シジュウカラの巣が意外とかさばるからです。メスは1週間かけてコケを敷き詰め、その上にシカの毛などの獣毛で産座を作ります。1腹の卵数は4から12、8から10が普通で、孵化後18日から20日でヒナが巣立つまで、この空間で家族全員が過ごすことになります。底面が10cm四方しかないと、育ったヒナが押し合って外に落ちる原因になります。

逆に大きすぎる箱も選ばれにくくなります。内部の容積が広いと、ヒナを温めるための熱が逃げやすく、親鳥にとって効率が悪いためです。「余った板でとりあえず大きめに」は、鳥の側から見ると使いにくい部屋になります。

知っておくと得をするのは、鳥取県が公開している基本型巣箱の展開図が、幅15cmの板1本から屋根35cm・前板20cm・側板25cm・背板20cm・底板15cmを切り出す設計になっている点です。板の幅を先に決めてしまえば、あとは長さを測って切るだけになる、という考え方は100均の板材でもそのまま使えます。

出入り口までの高さ15cmが、ヒナを守る「深さ」になる

見落とされやすいのが、底から出入り口までの高さです。資料では15cmくらいが目安とされています。ここは飾りの数字ではなく、巣の中のヒナと外敵との距離そのものです。

巣箱の中は、下に巣材が5cm前後積み上がります。出入り口が底から近い位置にあると、ヒナが育って背が伸びたときに顔が穴の高さまで届いてしまいます。外から手や前足が入る位置にヒナがいる状態は、カラスやネコにとって狙いやすい構造になります。深さがあれば、親鳥が飛び込んだあとヒナは穴より下にいることになり、外からは届きません。

作るときは、前板の下端から15cmの位置に穴の中心を取ります。高さ21cmの前板なら、穴の中心から上に6cm残る計算です。穴の直径が2.8cmなので、穴の上端から板の上端まで4.6cmの余白ができ、屋根を固定するための「のりしろ」も確保できます。

注意したいのは、穴の位置を上げすぎることです。天井に近すぎると、親鳥が着地するための内壁の足がかりがなくなり、出入りのたびに滑ります。内側の前板に横方向の傷を数本つけておくと、ヒナが巣立つときの足がかりになります。

板の厚さは0.9cm前後。薄いほど作りやすく、薄いほど早く壊れる

板の厚さは、作りやすさと寿命が正面からぶつかる部分です。100均の桐板材は厚さ0.9cmで、のこぎりで切りやすく、きりで下穴を開ければボンドとクギでも組めます。屋外に置く箱としては最低限の厚みが確保できる、ちょうど境目の数字です。

厚みが必要な理由は、断熱と強度の2つです。夏の直射日光が当たる巣箱は内部が高温になりますが、板が厚いほど熱が伝わるまでに時間がかかります。桐は軽くて加工しやすいうえ、木材の中でも熱を伝えにくい性質があり、巣箱の材料として扱いやすい木です。

厚さ0.3cm前後の薄い合板やベニヤは、切るのは楽でも、クギを打った瞬間に割れます。すのこを解体して使う場合も、天板部分は0.7〜1.0cmある一方、下駄になっている角材は使い道が限られるので、板の実測をしてから設計に入ってください。

覚えておきたいのは、板厚が組み立て寸法に効いてくることです。幅15cmの前板と背板の間に、厚さ0.9cmの側板を2枚挟むと、内寸は13.2cmになります。この計算を最初にやっておかないと、切り終わってから箱が組み合わないという事態になります。

桐・すのこ・MDF、100均の木材で買っていいのはどれか

主役は桐の板材45cm×20cm×0.9cm。3枚330円で足りる

巣箱づくりの本命は、ダイソーで販売されている桐の板材です。商品サイズは45cm×20cm×0.9cm、材質は桐、1枚入で110円。この1種類を3枚買えば330円で、必要なパーツはすべて取れます。

この板が向いている理由は、サイズと厚みの組み合わせにあります。幅20cmは屋根としてそのまま使え、長さ45cmは側板2枚ぶんを縦に並べて取れる長さです。桐は柔らかいので、力の弱い子どもでものこぎりを引けます。工作の時間として考えると、切る作業は30分ほどで終わります。

使い分けの目安はこうです。子どもと一緒に作るなら桐の板材が扱いやすく、できるだけ長持ちさせたいなら杉やヒノキの板材を選びます。セリアでも桐・ひのき・杉の板材が110円で並び、45cm×12cm、45cm×15cm、30cm×10cmなど幅のバリエーションがあります。幅15cmの板が手に入れば、前板と背板をリップカット(縦割り)なしで切り出せるので、のこぎりの手間はさらに減ります。

買い物のときの注意点は、反りの確認です。木製品には個体差や反りがある前提で、店頭で板を平らな棚の面に当て、隙間ができないものを選びます。反った板で箱を組むと、側板と前板の間に隙間が空き、そこから雨が入ります。

桐すのこは「解体前提」なら使える。ただし手間は増える

100均の木材でよく候補に挙がるのが、桐すのこです。ダイソーでは40cm×25cmが110円、50cm×33cm×2.7cmが220円、74cm×33cmが330円といったサイズ展開があります。板が何枚も連結されているぶん、1枚あたりの木材量では割安に見えます。

ただし、すのこはそのまま巣箱の壁にはできません。板と板の間に隙間があるため、解体して天板だけを取り出し、並べて接着し直す作業が必要です。この工程で木工用ボンドの乾燥待ちが半日ほど発生します。手間を許容できるなら、幅の広い面が作れるという利点があります。

すのこを選ぶなら、下駄(裏の角材)の位置を見て、天板の長さが必要なパーツの長さより長いものを選んでください。40cm×25cmのすのこなら、天板は40cm前後あるので側板や背板が取れます。解体には、下駄と天板をつないでいるクギを抜くための工具が要ります。

店舗により取扱いがない場合や、価格変更および販売終了の可能性がある点も頭に入れておきましょう。すのこは季節商品として棚から消えることがあるので、板材のほうが計画を立てやすい材料です。

MDFと薄い合板を選ぶと、最初の梅雨で崩れる【失敗パターン①】

100均の木材売り場には、桐やヒノキと並んでMDFボードが置かれています。表面がなめらかで反りがなく、価格も110円。工作材料としては扱いやすい素材ですが、巣箱には向きません

MDFは木材を繊維状にほぐし、接着剤で圧縮して固めた板です。水を吸うと繊維が膨らんで元に戻らず、表面が波打ち、厚みが増して層がはがれます。室内の棚なら10年持ちますが、雨が直接あたる屋外では、梅雨を1回越えただけで角がふやけます。屋根板がふやけて反れば、そこから雨が入り、巣材が濡れて中のヒナが冷えます。

実際に起こりやすい流れはこうです。3月に作って木にかけ、5月に鳥が入り、6月の長雨で屋根が波打ち、7月には屋根と側板の間に指が入る隙間ができている。中を確認しようとして触れた瞬間、屋根が持ち上がってしまう、というところまでが1セットです。

対策はシンプルで、木材売り場で「MDF」「繊維板」の表記がある板を避け、桐・杉・ヒノキと書かれた無垢の板を選ぶことです。合板を使う場合も、厚さ0.9cm以上で、屋外用の表記があるものに限ります。判断に迷ったら、板の切り口を見てください。木目が通っていれば無垢、茶色く均一な粒状ならMDFです。

比較項目 桐の板材(110円) 桐すのこ(110〜330円) MDFボード(110円)
サイズ 45cm×20cm×0.9cm 40cm×25cm〜74cm×33cm 薄手の板が中心
下ごしらえ 切るだけ 解体・接着で半日 切るだけ
雨への強さ 数年もつ 数年もつ 1シーズンで劣化
巣箱への適性 ◎ そのまま使える ○ 手間をかければ使える × 屋外では使わない

工具も110円でそろう。必要なのは4つだけ

巣箱づくりに電動工具は必要ありません。のこぎり、きり(またはハンドドリル)、紙ヤスリ、木工用ボンド。この4つがあれば組み上がります。すべて100均の工具売り場にあり、板と合わせても税込550円ほどで一式そろいます。

それぞれの役割を整理しておきます。のこぎりは板を長さで切るため、きりはクギを打つ前の下穴と、出入り口の穴の輪郭を開けるため、紙ヤスリは切断面と穴の内側のささくれを落とすため、ボンドは組み立て時の仮固定のためです。ダイソーのホビー工作紙ヤスリ6枚セットは110円で、#60から#1000までの番手が入っています。切断面を整えるだけなら#60と#100で十分です。

手芸用のハンドドリル(2種)も110円で手に入ります。細い下穴を開ける用途に向いた工具で、クギ位置に下穴を開けておくと、桐のような柔らかい木でも割れずに打てます。出入り口のような大きな穴は、きりで小さな穴を円周状に並べて開け、間をつないでいく方法で対応します。

買い足すか迷いやすいのがクギとちょうつがいです。ボンドだけでも箱にはなりますが、屋外で数年使うなら、側板と前板の接合部にはクギを併用してください。屋根を開閉式にするならちょうつがいととめ金があると作業が早くなります。ここは無理に100均でそろえず、手元にあるもので構いません。

板3枚をどう切る? 巣箱の作り方を7工程に分けて完成させる

板取り図:45cm×20cmの板3枚から6つのパーツを取る

ここからは、110円の桐板材3枚(330円)を使う板取りを紹介します。東京都環境局の寸法表の範囲に収まるよう、100均の板サイズから逆算した組み合わせです。

1枚目からは屋根(20cm×20cm)前板(幅15cm×高さ21cm)を取ります。屋根は板の幅20cmをそのまま使うので、長さ方向に20cmで1本切るだけです。前板は幅を20cmから15cmに縦割りしてから、長さ21cmで切ります。

2枚目からは背板(幅15cm×長さ30cm)底板(13.2cm×13.2cm)を取ります。背板が30cmと長いのは、箱の上下にはみ出させて、木に固定するための「取っ手」にするためです。3枚目からは側板2枚(幅13.2cm×長さ21cm、上端を斜めに切って後ろ側19cm)を取ります。側板の幅13.2cmは、前板の幅15cmから板厚0.9cmを2枚ぶん引いた数字です。

組み上がりは、外寸で高さ21cm・幅15cm・奥行き15cm、内寸で13.2cm四方の空間になります。高さ18〜23cm、奥行きと幅12〜15cmという基準の内側です。注意点として、縦割りは長い直線を切るので、板の下に定規を当てて鉛筆で線を引き、線の外側1〜2cmを切る意識で進めてください。多少曲がってもヤスリで直せます。

出入り口の穴は「小さめに開けて、広げる」が正解

出入り口は前板の下端から15cmの位置に中心を取り、直径2.8cmで開けます。この工程だけは、失敗すると板を1枚買い直すことになるので、手順を守ってください。

最初にコンパスか、直径2.8cmの円が描けるものを使って、鉛筆で円を描きます。次に、円の線の内側に沿って、きりで小さな穴を5〜6個開けます。穴と穴の間をきりの先で削ってつなぎ、中央の木片を押し出します。この時点では穴はいびつで、直径2.5cmほどの小さな穴になっているはずです。

そこから紙ヤスリを丸めて穴に差し込み、回しながら少しずつ広げていきます。定規で直径を測りながら、2.8cmに届いたら止めます。小さめに開けて広げる手順にしておけば、削りすぎたときの取り返しがつきます。最初から2.8cmで開けようとして、木が欠けて3.5cmになるのがいちばん多い失敗です。

豆知識として、穴の内側の下半分はあえて少しざらつかせておくと、鳥の足がかりになります。外側の縁はヤスリで丸く整えてください。角が立っていると、出入りのたびに羽が傷みます。

組み立ては「側板→前板→背板→底→屋根」の順に進める

組み立ての順番を守ると、途中で手が3本必要になる場面がなくなります。まず側板2枚を、前板の左右の端に立てて接着します。このとき、側板の前側が21cm、後ろ側が19cmになる向きで置き、上端が屋根に向かって傾いている状態を作ります。

ボンドが仮固定できたら、背板を後ろから当てます。背板は30cmあるので、箱の上に約6cm、下に約5cmはみ出す位置で止めます。このはみ出した部分に、上下1カ所ずつシュロ縄を通す穴を開けておくと、木にかけるときに巣箱が安定します。背板や添え木を巣箱の背に取り付けると、木にかけたときに安定するという構造は、公的資料でも共通して紹介されている考え方です。

次に底板です。13.2cm四方の板の四隅を、板の厚さの二倍にあたる1.8cmだけ斜めに切り落とし、中央に水抜き穴を小さく開けます。角を落とすのは、四隅にたまった水を逃がすためです。底板は側板の下端より少し上(0.5cmほど内側)に入れると、雨が伝って入りにくくなります。

最後に屋根をのせます。20cm×20cmの屋根を、前に4cmほど張り出す位置に置くと、ひさしとして雨が出入り口に吹き込むのを防げます。ひさしは光や風雨を防ぐ役割がある一方、長すぎると出入りのジャマになり、箱に直角だと風雨避けの役割を果たさないとされています。張り出しは4cm前後にとどめ、後ろ側を少し下げた傾斜をつけてください。

屋根を開閉式にしておくと、秋の掃除が10分で終わる

完成前にもうひとつ、必ず入れておきたい仕掛けがあります。箱の一部を開閉式にすることです。観察や掃除がしやすいように、屋根か横板のどちらかを開くようにしておきます。

理由は、巣箱が1年で使い捨てではないからです。翌年の秋には中の巣材を取り出し、掃除・補修をして架け替えることが推奨されています。開かない箱を作ってしまうと、掃除のたびに木から下ろして、バールで屋根をこじ開けることになります。開閉式なら、木にかけたまま10分で終わります。

屋根を開閉式にする場合は、屋根と背板が重なる2カ所にクギ穴を開け、クギを軸にして屋根が回るようにします。反対側にとめ金をつければ、風で開くことはありません。横板を開閉式にする場合は、ちょうつがいととめ金の組み合わせにします。

注意点として、開閉部にすき間ができないよう、閉めた状態で光が漏れないか確認してください。小さなすき間でも、雨が入るうえ、内部が明るいと鳥は営巣場所として選びません。すき間が空いたら、細く切った板を裏から当てて塞ぎます。

🏠 手順ステップガイド

Step1:板取りの線を引く(3枚の板に、屋根・前板・背板・底板・側板2枚の線を鉛筆で引く)
Step2:のこぎりで切り出す(長さ方向を先に、縦割りは最後に。切断面は紙ヤスリで整える)
Step3:出入り口を開ける(前板の下端から15cmの位置に、きりで小さく開けてヤスリで直径2.8cmまで広げる)
Step4:側板と前板を接着する(側板の前側21cm・後ろ側19cmの向きを確認してからボンドで固定)
Step5:背板と底板を取り付ける(底板は四隅を1.8cm落とし、中央に水抜き穴を開けてから入れる)
Step6:屋根を開閉式に取り付ける(前に4cm張り出させ、重なる2カ所にクギ穴、反対側にとめ金)
完了! 背板の上下にシュロ縄を通す穴を開ければ、あとは秋のうちに木へかけるだけです

かける時期を間違えると、1年まるごと待つことになる

春に作り始めると間に合わない【失敗パターン②】

巣箱をかける季節は秋〜冬です。これは巣箱づくりで最も多い失敗が起きる部分でもあります。暖かくなって鳥の声が増えてから「そうだ巣箱を作ろう」と思い立つ人が多いのですが、その時点ではもう間に合っていません。

シジュウカラの繁殖は、本州では3月後半から4月上旬に始まり、北海道では5月上旬からです。キヤノンのバードブランチプロジェクトでも、繁殖が3月から5月ごろに始まることを踏まえ、秋から冬にかけての設置がすすめられています。鳥は巣を作る場所を、繁殖が始まる前に何度も下見して決めます。3月に真新しい箱が現れても、候補地の選定はすでに終わっているわけです。

典型的な失敗の流れは、4月に完成した巣箱をかけ、5月・6月と待っても何も来ず、「作り方が悪かったのか」と結論づけてしまうことです。原因は作りではなく時期にあり、その巣箱は翌春には使われることが珍しくありません。

冬の初めにかけておくと、雪の降る冬に「ねぐら」として利用してくれるかもしれない、という利点もあります。冬のあいだに鳥が中を知っていれば、春に選ばれる可能性が上がります。作るのは夏でも構いませんが、木にかけるのは10月から12月を目標にしてください。

🗓 観察カレンダー

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

◎=よく見られる(もっとも観察しやすい時期) ○=見られる △=まれに見られる

巣箱への出入りが増えるのは、下見が始まる2月から巣立ちが終わる6月にかけてです。10月・11月は、ねぐら利用と下見を兼ねて立ち寄る鳥がいる時期にあたり、設置のタイミングとしても向いています。

高さは地面から3m前後。幹に密着させるのが基本

設置する高さは、シジュウカラ・スズメ用で地面から3m前後が目安です。地面から2m以上の高所に架けるという表現で紹介されることもあり、いずれにしても人の目線より上になります。

高さが必要な理由は、地上から近づく相手を遠ざけるためです。ネコは垂直の幹を登れますが、地面から一気に飛びつける高さには限りがあります。3mあれば、少なくとも「通りかかって手が届く」位置ではなくなります。

取り付けは、木の幹にシュロ縄などで縛るのが基本です。背板の上下2カ所に通した縄を幹に回し、巣箱が幹に密着するように締めます。金属のワイヤーや針金を幹に食い込ませると、木の成長を妨げるので避けてください。数年かけて幹が太くなることを見越し、年に1度は縄の締まり具合を確認します。

選ぶ木は、蛇が入りにくいよう下枝の少ないまっすぐな木がよく、日当たりと風通しがよく湿度が低い場所が適しているとされています。うっそうと茂った場所より、少し開けた場所のほうが向いています。

向きと、出入り口のまわりの枝がヒナの安全を左右する

巣箱の向きは、雨や直射日光を避けるために入口をやや下向きにするのが基本です。方角としては北や東を向けると、午後の強い日差しが直接入りません。

もうひとつ大事なのが、出入り口の前にある枝です。出入り口付近の枝は、小鳥の敵であるヘビ・ネコ・カラスの足場になってしまいます。人間の感覚では「止まり木があったほうが親切」と考えがちですが、鳥の側から見ると危険が増えるだけです。市販の巣箱に止まり木がついていない設計が多いのは、この理由によります。

設置場所を決めたら、その位置に立って出入り口の高さを目線にし、周囲30cm以内に足場になる枝がないか確認してください。太い枝が近ければ、別の面に移すか、少し高さを変えます。

やりがちな失敗は、物干し竿や庭のフェンスに固定することです。人が毎日近づく場所は、巣箱としては落ち着きません。人通りが少なく、風で揺れない場所を選んでください。

庭に木がない、ベランダしかない場合はどうするか

集合住宅のベランダや、木のない小さな庭でも、巣箱をかける方法はあります。ただし条件は厳しくなり、入居の可能性も下がることは先に知っておいてください。

理由は、シジュウカラが平地から山地の林にすむ鳥で、市街地や住宅地でも見られるとはいえ、周囲に樹木のある環境を好むためです。巣箱の周りにまったく緑がない場所では、餌を運ぶ距離が長くなりすぎます。近くに公園や街路樹の並木があるかどうかが、判断の分かれ目になります。

具体策としては、ベランダの壁面に取り付けるより、敷地内の生け垣の柱や、庭の隅にあるフェンスの支柱の上部を使うほうが向いています。洗濯物を干す動線から外れた面を選び、エアコンの室外機の風があたらない位置にしてください。

読者のタイプ別に整理すると、子どもと工作を楽しみたい人は入居の有無にこだわらず作る過程を目的にする、観察を目的にする人は緑の多い場所に木がある家や、市民農園・別荘など設置場所を確保できる環境を選ぶ、庭が狭い人はまず巣箱ではなく水場から始める、という考え方があります。

直径2.8cmの穴が呼ぶ顔ぶれ。どんな鳥が入るのか

本命はシジュウカラ。全長14.5cm、体重14gの黒いネクタイ

直径2.8cmの巣箱で、最も入居が期待できるのがシジュウカラです。サントリーの日本の鳥百科によると、全長14.5cm、体重は14gくらい。日本ではほぼ全国に分布し、北日本に多く、西日本には少ないとされています。

見分け方はシンプルです。頭が黒く、頬が白い。そして胸から腹にかけて黒い縦線が入っていて、これがネクタイのように見えます。この縦線が太いのがオス、細いのがメスで、慣れると庭先でも見分けられます。鳴き声は「ツツピン ツツピン」で、2月ごろから聞こえ始めます。

巣箱を使う鳥である理由は、もともと大木や老木の洞に営巣する習性があるからです。人工の巣箱は、その樹洞の代わりとして機能します。市街地では大木や枯れ木が減っているため、巣箱の価値は住宅地ほど高くなります。

観察のコツは、出入りの回数を数えることです。ヒナが育つと、1時間に親鳥は平均13.5回給餌するというデータがあります。ヒナ1羽で換算すると1時間に1.5回です。巣箱から10m以上離れた窓の内側から見ていれば、親鳥の往復が急に増える日が、孵化した合図になります。

🐦 野鳥スペックカード

分類 スズメ目シジュウカラ科シジュウカラ属
全長 全長14.5cm(体重14gくらい)
見られる季節 1年中(繁殖は本州で3月後半〜、北海道で5月上旬〜)
生息環境 平地から山地の林。市街地、住宅地でも見られる
鳴き声 ツツピン ツツピン
よく見られる場所 庭木の枝先、生け垣、公園の樹上

スズメとヤマガラも同じサイズの巣箱に入る

同じ直径2.7〜3.0cmの巣箱には、スズメとヤマガラも入ります。寸法表でもシジュウカラとスズメは同じ行にまとめられており、高さ18〜23cm、奥行き・幅12〜15cmという設計を共有しています。

どの鳥が来るかは、かける場所で大きく変わります。低い山の林の中に巣箱をかければシジュウカラ・ヤマガラなどが利用し、家の近くにかければスズメ・ムクドリなどが利用する、という傾向が公的資料でも紹介されています。住宅地の庭ならスズメ、雑木林に面した庭ならシジュウカラやヤマガラ、と考えると予想が立てやすくなります。

見分けるポイントは巣材です。シジュウカラはコケを敷き詰め、その上に獣毛で産座を作ります。スズメは枯れ草やワラを多く使い、巣材が出入り口から見えるほどぎっしり詰まることがあります。秋の掃除で中身を見れば、どの鳥が使ったのかが分かります。

スズメが入ったときに「シジュウカラを狙っていたのに」と落胆する人がいますが、スズメも近年は都市部で巣を作る場所が減っている鳥です。瓦屋根やすき間のある木造家屋が減り、営巣場所が不足しています。どちらが入っても、巣箱としては役割を果たしたことになります。

ムクドリを狙うなら、まったく別の箱を作ることになる

ムクドリ用の巣箱は、シジュウカラ用の設計とは別物です。高さ28〜40cm、奥行き・幅15〜18cm、出入り口の直径4.0〜6.0cm、出入り口までの高さ18〜23cm、地面からの高さは4〜5m。100均の板45cm×20cmでは、高さ方向が足りず、複数枚を継ぐ必要が出てきます。

サイズが大きく違うのは、体の大きさがそのまま必要な空間の差になるからです。ムクドリはシジュウカラより一回り以上大きく、集団で行動する鳥でもあります。設置の高さが4〜5mと高いのも、この鳥の営巣場所の傾向に合わせたものです。

気をつけたいのは、住宅地でムクドリを積極的に呼ぶかどうかは、周辺環境を見て判断が必要な点です。ムクドリは集団でねぐらをとる習性があり、鳴き声や糞が近隣とのトラブルになることがあります。街路樹に大群が集まる地域では、巣箱で呼び寄せる前に地域の状況を確認してください。

下の表は、公的資料の数値を1枚にまとめたものです(野鳥の教科書調べ)。100均の板でそのまま作れるかどうかも並べています。

比較項目 シジュウカラ・スズメ用 ムクドリ用 100均の板での作りやすさ
箱の高さ 18〜23cm 28〜40cm 45cmの板1枚で足りる
奥行き・幅 12〜15cm 15〜18cm 板幅20cmを縦割りで対応
出入り口の直径 2.7〜3.0cm 4.0〜6.0cm きり+紙ヤスリで開けられる
出入り口までの高さ 15cmくらい 18〜23cm 前板の下端から測る
地面からの高さ 3m前後 4〜5m 脚立の高さで判断する

実は、入居しない年のほうが多いという現実

意外と知られていないのですが、巣箱は「かければ入る」ものではありません。ここを最初に知っておくと、空振りの年に落ち込まずにすみます。

万博記念公園のシジュウカラの繁殖期の生態に関する記録では、70個設置した巣箱のうち繁殖が確認されたのは29個、21個は巣材のみ、2箇所は他の鳥が営巣という結果が報告されています。繁殖まで至った箱は4割ほどという数字です。緑の豊かな公園で、専門の担当者が設置してこの割合になります。

さらに、入居したあとも順風満帆とは限りません。同じ記録では、7つの巣箱の平均雛数8.1羽のうち巣立った雛は4.6羽で、巣立ち率は低く49.6%とされています。自然の中では、卵から巣立ちまでたどり着くこと自体が簡単ではないということです。

この数字を知っておくと、巣箱づくりの目標が変わります。1年目で入らなくても、箱の設計が間違っていたとは限りません。鳥取県の資料にも、巣箱をかけてもすぐに鳥が利用するとは限らないので、利用してくれるまで気長に待とう、という趣旨の記述があります。3年計画くらいで構えるのが、この趣味との付き合い方です。

入居したあとに、やってはいけないこと

のぞかない、撮らない。子育て中の巣箱には近づかない

巣箱に鳥が入った瞬間から、飼い主ではなく観察者としての振る舞いが求められます。最も避けるべきなのは、中をのぞくことと、巣箱に近づいて写真を撮ることです。

日本野鳥の会のマナーのガイドラインでは、巣や巣立ち雛に遭遇した場合はすみやかにその場を離れることがすすめられています。親鳥がストレスを受けると、巣の放棄やヒナの早期巣立ちが起こる可能性があるためです。せっかく入居してもらった巣箱で、確認のたびに親鳥を追い払っていては本末転倒になります。

観察するなら、10m以上離れた窓の内側や、日常的に人がいる場所から見るのが基本です。巣箱の周りに人が立つ時間を作らないだけで、親鳥の給餌の回数は保たれます。双眼鏡があれば、離れた場所から出入りの様子は十分に分かります。

掃除や点検も、繁殖期には行いません。中の様子が気になるのは自然な気持ちですが、確認は巣立ちが終わってからにしてください。屋根を開閉式に作ってあると、つい開けたくなるのがいちばんの落とし穴です。

⚠️ 注意:必ず知っておきたいこと

野鳥は許可なく捕らえたり、飼うことはできません。巣箱の中のヒナを「保護」するつもりで持ち出すことも、これに当たります。地面にいるヒナを見つけても、東京都環境局が案内しているとおり、そのままにしてそっと離れてください。ケガをした鳥を見つけて放っておけないと判断した場合は、各都道府県の野生鳥獣保護担当機関に相談するのが正しい手順です。

ヒナを拾わない。巣箱の中も同じルールが適用される

巣立ちの時期になると、巣箱の下でうまく飛べないヒナを見かけることがあります。ここで拾い上げてしまう人が毎年一定数いますが、その必要はほとんどありません。

東京都環境局は、巣立ちビナの大半は拾う必要がない元気なヒナです。近くに姿が見えなくても、親鳥は必ずヒナのもとへ戻って世話をしますと案内しています。人がヒナの近くにいると、親鳥は警戒して近づいてきません。心配して見守っているつもりの行動が、親子を引き離してしまいます。

日本野鳥の会のヒナを見つけたときの案内でも、巣立ち後に親鳥と過ごすわずかな期間(1週間から1ヶ月)に「何が食物で、何が危険か」などを学習してひとり立ちするので、人に育てられたヒナは自然の中で生きていけるとは限らない、と説明されています。巣箱から出たあとの1週間から1ヶ月が、その鳥の一生を決める学習期間になっているわけです。

やるべきことは、ヒナを見つけたらその場を離れ、飼いネコを室内に入れ、子どもに近づかないよう伝えることです。巣箱の下にヒナがいる時期は、そのエリアで庭仕事をしないでください。それが最も効果のある手助けになります。

餌台を置くなら、条件と時期を考えてから

巣箱を作ると、次に餌台を置きたくなります。ただし給餌には注意すべき側面があり、無条件にすすめられる行為ではありません。

日本野鳥の会は、野鳥への給餌について、多くの鳥が集まることで集団感染や水の富栄養化を促進する面があるという見解を示しています。1カ所に鳥が密集する状況は、病気が広がる条件を作ってしまいます。餌台を置くなら、こまめな清掃と、置き場所・時期を限定する運用が前提になります。

行うとすれば、自然の餌が乏しくなる積雪期に補助的に行う、というのが一般的な考え方です。春から夏の繁殖期に人の餌が増えると、ヒナに与える餌の内容が変わってしまう可能性もあります。巣箱に鳥が入っている時期は、餌台は片づけておくほうが無難です。

餌台の代わりにすすめられるのは、水場です。浅い皿に水を張って地面から少し高い位置に置くだけで、鳥は水浴びと飲水に訪れます。水は毎日替え、皿は洗ってください。庭の環境づくりとしては、餌より水のほうが手軽で、影響も限定的です。

巣箱は1年で終わらない。秋の掃除と2年目の補修

秋の掃除が、翌年の入居率を左右する

巣立ちが終わり、鳥が出入りしなくなったら、秋のうちに掃除をします。翌年の秋には中の巣材を取り出し、掃除・補修をして架け替えることが推奨されており、年1度の手入れが巣箱を使い続ける条件になります。

掃除が必要な理由は、古い巣材にダニなどが残るためです。シジュウカラの巣はコケと獣毛でできていて、雨で湿ると分解が進みます。前の年の巣材が残ったままだと、翌春に来た鳥が中を見て、そのまま別の場所を探しに行くことがあります。

手順は簡単です。開閉部を開け、古い巣材を手袋をした手でまとめて取り出し、袋に入れて処分します。箱の内側を乾いた布で拭き、底の水抜き穴が詰まっていたら、きりの先で通します。作業は晴れた日の日中に行い、そのあと数時間は開けたまま乾かします。

作業のあとは手を洗ってください。野鳥の巣材や糞を扱ったあとの衛生管理は、手袋の着用と手洗いで対応します。掃除は10月から12月に済ませ、そのまま木にかけ直せば、翌春の下見に間に合います。

塗るなら外側だけ。内側は無塗装のままにする

木材の寿命を延ばしたいなら塗装という選択肢がありますが、巣箱の場合は塗る場所を限定します。塗るのは外側と屋根の上面だけ、内側は無塗装のままにしてください。

内側を塗らない理由は、においと表面の性質です。塗料のにおいが残ると、鳥は中に入るのをためらいます。また、内壁がつるつるになると、ヒナが巣立つときに登れません。内側は、のこぎりで切ったままのざらついた面が向いています。

外側に塗る場合は、水性で屋外用の塗料を薄く1回か2回。濃い色は夏に熱を吸収するため、明るい茶色や薄いグレーなど、周囲の樹皮に近い色を選びます。塗ったあとは1週間以上乾かし、においが消えてから木にかけます。

塗らないという選択も十分にありです。桐や杉の無塗装の板でも、雨のあたりにくい向きにかけておけば数年は使えます。塗装をしないぶん、毎年の点検で傷んだ板を1枚だけ交換する、という運用のほうが手間は少なくなります。

2年目に壊れるのは屋根と底。先に手を打てる【失敗パターン③】

巣箱が最初に壊れる場所は、ほぼ決まっています。屋根の前縁と、底板です。ここを2年目の点検で見ておくと、箱ごと作り直す事態を避けられます。

屋根が傷むのは、雨と日射をまともに受け続けるからです。前に4cm張り出したひさし部分は、下から吹き上げる雨も受けます。桐は柔らかいぶん、木口から水を吸って毛羽立ちます。底板が傷むのは、水抜き穴が巣材で詰まり、水が抜けなくなるためです。四隅を1.8cm切り落としてあれば、詰まりにくくなります。

ありがちな失敗は、屋根がわずかに反ったのを放置し、翌年の春に雨が入って巣材が濡れることです。鳥が入ったあとでは修理できないので、秋の掃除のときに定規を当て、屋根と側板のあいだに光が漏れる箇所がないか確認してください。

補修は、板1枚の交換で済みます。110円の桐板材をもう1枚買い、屋根だけ作り直せば、その巣箱はさらに数年使えます。全部を作り直すより早く、木にかけた縄もそのまま使えます。

記録を残すと、翌年の設置場所が決まる

巣箱を続けるなら、簡単な記録をつけておくと判断が速くなります。日付と、その日に見たことを1行書くだけで十分です。

記録が効くのは、翌年の設置場所を決めるときです。「2月に下見に来たが入らなかった」「4月に巣材を運び込んだ」「5月中旬に給餌の往復が増えた」といったメモがあれば、その巣箱の位置が候補として機能しているのか、まったく見向きもされていないのかが分かります。見向きもされない位置なら、翌秋に移設します。

記録の粒度は、目的によって変えてください。子どもの自由研究にするなら、写真と日付をノートに貼る形式が向いています。継続的に観察したい人は、出入りの回数を10分間だけ数える方式にすると、年ごとの比較ができます。手間をかけたくない人は、スマートフォンのカレンダーに一言メモを入れるだけでも構いません。

記録するときの注意は、確認のために巣箱へ近づかないことです。窓から見えた範囲、聞こえた鳴き声、下に落ちていた巣材のかけら。この3つだけでも、季節の進み方は十分に読み取れます。

Q. 去年シジュウカラが入った巣箱は、掃除せずに残したほうが入りやすいのでは?
A. 古い巣材は取り出してください。翌年の秋には中の巣材を取り出し、掃除・補修をして架け替えることがすすめられています。巣材が残っていると内部の容積が減り、湿気やダニも残ります。シジュウカラは毎年、メスが1週間かけてコケから巣を作り直す鳥なので、空の状態のほうが選ばれやすくなります。掃除の時期は10月から12月が目安です。

まとめ

🐦 この記事の結論

巣箱は100均の桐板3枚(330円)で作れます。出入り口2.8cmと秋の設置さえ守れば、材料費の差は入居率に影響しません。

✅ 要点チェック

  • 穴の直径:シジュウカラ用は2.7〜3.0cm
  • 箱の寸法:高さ18〜23cm、幅と奥行き12〜15cm
  • 材料選び:桐の板材を選び、MDFは避ける
  • かける時期:秋〜冬、地面から3m前後
  • 入居後:のぞかない、ヒナを拾わない

巣箱づくりでつまずくのは、たいてい工作の腕ではありません。穴を大きく開けすぎたか、MDFを買ってしまったか、春になってから作り始めたか。この3つのどれかです。逆に言えば、直径2.8cmの穴、桐の板材、秋の設置という3点を押さえれば、110円の板3枚から始めた巣箱でも、市販品と同じように鳥に選ばれます。最初の一歩としては、次の休日に100円ショップの木材売り場へ行き、桐の板材を平らな面に当てて反りのない3枚を選ぶところから始めてみてください。

作り終えたら、木にかけるのは10月から12月です。それまでのあいだに、庭のどの木が下枝の少ないまっすぐな木か、出入り口の前に枝が来ない面はどちらか、脚立で3mまで届くかを確認しておきます。入居は1年目で決まらないことのほうが多く、繁殖まで至る割合は緑の多い公園でも4割ほどという記録があります。空振りは失敗ではなく、この趣味の平常運転です。

そして、鳥が入ったあとにやることは、実はほとんどありません。のぞかない、近づかない、写真を撮りに行かない。この3つを守って窓の内側から眺めているうちに、親鳥の往復が急に増える日が来ます。孵化から18日から20日で、ヒナは巣箱を出ていきます。そのあと1週間から1ヶ月、親子で庭木を移動しながら過ごす姿が見られれば、その巣箱は役目を果たしたことになります。掃除は秋、そしてまた同じ木にかけ直しましょう。

※商品の価格・サイズ・取り扱いは変更されることがあります。最新情報は各店舗の公式サイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

野鳥の教科書編集部です。テーマに関する基礎知識や選び方を、公式情報など確認できる情報をもとに編集しています。掲載後も定期的に見直し、変更があれば更新します。

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