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つばめの時期は九州3月・北海道4月|飛来から南下・二番子まで渡りの全記録

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「今年はもうツバメが来る頃かな」「うちの庭に巣を作っていたツバメ、最近見かけないけど大丈夫かな」——春先や秋口になると、こんな疑問を持つ人が増えます。ツバメは全長17cm、翼開長32cmほどの小さな渡り鳥で、日本には夏鳥として飛来し、人家の軒先や商店の入口に泥と枯れ草で巣を作る、身近な野鳥の代表格です。

結論から言うと、ツバメが日本にやってくる時期は地域によって最大1か月ほどズレます。九州南部では3月上旬に初めて姿を見せ、関東・東北南部は4月10日頃、北海道は4月以降。そして子育てを終えると、9月から10月にかけて東南アジアの越冬地へと旅立っていきます。この「来る時期」と「去る時期」、そして間にある営巣・産卵・巣立ちの時期は、実はかなり細かくパターンが決まっています。

この記事では、日本野鳥の会やバードリサーチなど信頼できる情報源のデータをもとに、ツバメが飛来する時期の地域差、営巣から巣立ちまでのスケジュール、渡りが毎年同じ時期に起こる理由、そしてよく似たイワツバメ・コシアカツバメとの時期の違いまで、ツバメの「時期」にまつわる疑問をまとめて解説します。あわせて、巣を見守りたい人が知っておきたいフン害対策や巣の撤去に関する法律上の注意点も、時期別に整理して紹介します。

📌 この記事でわかること

・ツバメが日本に来る時期と地域ごとの到着日の違い
・営巣から産卵、巣立ちまでの子育てスケジュール
・毎年ほぼ同じ時期に渡りが起こる理由
・イワツバメ・コシアカツバメとの見分け方と時期の違い

目次

つばめが日本に来る時期はいつ?飛来前線と地域ごとの到着日

つばめが日本に来る時期はいつ?飛来前線と地域ごとの到着日の解説画像

結論:九州は3月上旬、北海道は4月以降

ツバメの飛来は、南から北へと約1か月かけて日本列島を北上していきます。バードリサーチの観測記録によると、九州地方南部での初見は3月上旬から始まり、3月20日頃には九州・四国地方に達します。続いて3月31日頃に中国・近畿・北陸・中部地方、4月10日頃に東海・関東甲信・東北南部へと到達し、北海道にツバメがやってくるのは4月に入ってからです。同じ日本国内でも、九州と北海道では実に1か月以上の時間差があることになります。

なぜ地域によって1か月もズレるのか

この差が生まれる一番の理由は、ツバメが越冬地から日本列島に沿って北上する渡りのルートそのものにあります。フィリピンやベトナム南部、マレーシア、インドネシアといった東南アジアの越冬地から海を渡ってくるツバメは、まず九州にたどり着き、そこから気温や日照条件が整うタイミングを見計らいながら順に北へと進んでいきます。緯度が上がるほど到着が遅くなるのは、単純に飛行距離が延びるからだけでなく、営巣に適した気温や虫の発生時期が地域ごとに異なるためでもあります。

自分の地域でいつ初認できるか調べる方法

「自分の街ではいつ頃見られるのか」を知りたい場合は、上記の地域区分をおおまかな目安にしつつ、実際に自宅周辺の電線や空を意識して見上げてみるのが一番確実です。ツバメは電線に何羽も並んでとまる姿や、水面すれすれを飛びながら水を飲む姿で見つけやすく、飛来直後は巣作りの場所を探して同じ場所を何度も行き来する行動が見られます。日本野鳥の会や地域の探鳥会が「ツバメの初見情報」を募集していることもあるので、そうした記録を参考にするのも一つの方法です。毎年決まった場所を観察していると、「去年より何日早い・遅い」といった変化に気づきやすくなり、それ自体が身近な気候の記録にもなります。ノートやスマートフォンのメモに初見日を書き留めておくだけでも、数年続ければ自分の地域だけの観察カレンダーができあがります。

早く来すぎた・遅く感じた年に起きていること

「今年は例年より早い気がする」「なかなか来ない」と感じることもあると思いますが、バードリサーチの調査では、初見日には年によって3〜4週間ほどの変動があることが報告されています。これは異常事態ではなく、渡りの仕組み上ふつうに起こる範囲の変動です。1週間や10日程度前後しても心配する必要はなく、むしろ「去年と同じ日に来た」という方が偶然に近いと考えたほうが自然です。

🗓 ツバメ観察カレンダー
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

◎=よく見られる(子育て中心の時期) ○=見られる(飛来直後・渡り前後) △=少数が見られる -=日本ではほぼ見られない(本州以南の目安。地域や年によりズレます)

飛来直後のツバメが盛んにしているのが、飛びながらの捕食です。ツバメの食性は飛行中の昆虫で、蜉蝣(カゲロウ)やトビケラ、ハエ、ハチなどを空中で次々に捕まえて食べます。水田や河川敷、公園の上空を低く速く飛び回っているのは、羽虫が多く発生する場所を狙って狩りをしているためです。営巣場所を探しながらも、常に飛びながら食事をしているのがツバメの日常で、雨の日に虫が少なくなると、普段より低空を飛ぶ姿がよく見られるようになります。

つばめの子育てはいつからいつまで?営巣・産卵・巣立ちの時期

結論:営巣は4月末〜8月、卵からヒナは約5週間で巣立つ

ツバメの営巣期は4月末から8月にかけてで、巣作りそのものは4月中旬〜下旬頃から始まります。産卵期は4月末〜7月末、卵から孵化までは約2週間、孵化してから巣立ちまではさらに約3週間かかります。つまり巣作り開始から最初のヒナが巣立つまでは、5週間から2か月ほどの幅で進んでいくことになります。一度に産む卵は4〜5個ほどです。

巣作りから産卵までの流れ

ツバメの巣は、泥とわら、枯れ草を自分の唾液で固めて作る椀状の巣です。人家や商店の軒先、駅舎、駐車場や駐輪場の天井など、必ず屋根のある人工物に作られます。営巣場所として選ばれやすいのは、人通りが多い場所、表面がボコボコした壁、風通しと日当たりが良い場所、そして雨がしのげる高い位置という条件を満たした場所です。実際の営巣先の内訳を見ると、戸建て住宅が約30%、戸建て商店が約30%を占め、残りが駅舎や駐車場・駐輪場などとなっています。人の気配がある場所を選ぶのは、天敵であるカラスやヘビが近づきにくいからだと考えられています。

一番子と二番子、2回目の子育てが始まる時期

ツバメの繁殖は通常1回ですが、条件が良いと同じ場所で2回目の子育て(二番子)を行うことがあります。二番子の営巣は6月下旬頃から始まり、巣立ちは8月中旬頃になります。一番子の巣立ちが6〜7月であることを考えると、一組のペアが5月から8月まで、ほぼ夏の間ずっと子育てを続けることも珍しくありません。同じペアが翌年も同じ巣に戻ってくるケースが多いことも報告されており、「去年と同じ場所に今年もツバメが来た」という体験は、偶然ではなく習性として説明できます。

巣立ちが遅れて見えるときに知っておきたいこと

「近所の巣はもう空なのに、うちのヒナはまだ巣にいる」という状況で焦ってしまう人がいますが、これは二番子である可能性を疑ってみてください。一番子の巣立ちは6〜7月、二番子は8月中旬頃と、同じ地域内でも1〜2か月のズレが生まれます。巣立ちの時期を「全国一律」「近所と同じはず」と思い込むと、正常な発育を異常だと勘違いしてしまう典型的な失敗パターンです。巣の下に落ちているヒナを見つけても、周囲に親鳥がいる場合は多くが巣立ちの途中段階なので、すぐに保護しようとせず、しばらく離れた場所から様子を見守ることが大切です。

段階 一番子の目安 二番子の目安
巣作り開始 4月中旬〜下旬 6月下旬頃
産卵 4月末〜 7月頃
孵化まで 約2週間 約2週間
巣立ち 6月〜7月 8月中旬

野鳥の教科書調べ(バードリサーチ・日本野鳥の会等の公開データをもとに作成)。同じペアでも年によって前後します。

子育て中の親鳥は、日に何度も虫をくわえて巣とねぐらを往復します。ヒナが「ジャージャー」と鳴いて催促する声は、孵化から2週間を過ぎたあたりから特に大きくなり、巣の周りが賑やかになるのもこの時期の特徴です。ヒナの数が4〜5羽いる場合、親鳥2羽だけでは給餌が追いつかないように見えることもありますが、これは通常のペースであり、心配して人が手を出す必要はありません。

ツバメの巣作りの時期についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

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なぜツバメは毎年同じ時期にやってくるの?渡りを決めるしくみ

なぜツバメは毎年同じ時期にやってくるの?渡りを決めるしくみの解説画像

結論:気温ではなく日照時間の長さで渡りを開始する

ツバメが毎年ほぼ同じ時期にやってくるのは、渡りの開始タイミングを気温ではなく日照時間の長さで判断しているためです。バードリサーチによれば、ツバメは日照時間の長さを感知して渡りを開始するため、天候や気温に左右されず、毎年同じ頃にやってくるとされています。暖冬でも寒の戻りがあっても、日が長くなるペースそのものは毎年ほぼ一定なので、結果として飛来時期が大きくブレにくいというわけです。

2,000〜5,000kmを渡る体力とルート

ツバメが越冬地から日本まで移動する距離は、およそ2,000〜5,000kmにおよびます。フィリピンやベトナム南部、マレーシア、インドネシアといった東南アジアで冬を越したツバメたちは、海を越えて日本列島にたどり着きます。全長17cm、体重にすると小鳥1羽分の体で数千kmを移動するというのは、渡り鳥の中でも負担の大きい旅の一つです。飛行中に虫を捕まえながら移動することで、エネルギーを補給しつつ渡りを続けていると考えられています。

同じ個体・同じペアが戻ってくるという報告

渡りの興味深い点として、夫婦(つがい)で同日に出発し、同日に到着する例が報告されていることが挙げられます。ツバメは繁殖期が終わると別々に行動することが多いとされますが、翌年同じ巣に同じペアが戻ってくるケースが観察されており、渡りのタイミングだけでなく行き先そのものにも、個体ごとの一定の習性があることがうかがえます。標識調査によって個体を識別する研究から、こうした知見が積み重ねられてきました。研究者が足環を付けて個体を追跡することで、渡りのルートや帰還率、寿命といったデータが少しずつ明らかになってきています。庭先で毎年ツバメを見かける人にとっては、「同じ個体が戻ってきているかもしれない」という視点を持つと、観察がより楽しくなります。

「今年は遅い」と感じたときに疑うべきこと

実は、多くの人が「近所でまだ見ない=今年は遅れている」と判断してしまいますが、これは早合点であることが少なくありません。初見日には年によって3〜4週間の変動幅があり、さらに個体やペアごとに巣を作る場所を選び直すこともあります。特定の1軒の軒先だけを見て判断するのではなく、近隣の電線や河川敷など複数の場所を見渡してみると、実はすでに別の場所で営巣を始めているツバメを見つけられることがあります。

Q. ツバメはなぜ気温が低い年でも同じ時期に来るのですか?
A. 渡りの開始を決める主なスイッチが気温ではなく日照時間の長さだからです。日が長くなるペースは年による差が小さいため、多少の寒暖差があっても飛来のタイミングは大きく崩れにくいとされています。ただし初見日自体には年により3〜4週間ほどの幅があることも報告されています。

つばめが日本を離れる時期は?南下と越冬地までの旅

結論:9月〜10月に集団で東南アジアへ南下する

子育てを終えたツバメは、9月から10月にかけて日本を離れ、南方の越冬地へと向かいます。バードリサーチの記録でも「春に渡ってきたツバメは秋に南方へ帰ってゆき、夏の間に雛をかえし、9月頃群れをなして帰ってゆきます」とされており、繁殖を終えた個体から順に、集団で移動を始めるのが特徴です。二番子の巣立ちが8月中旬頃であることを踏まえると、子育てを終えてから1〜2か月ほどの準備期間を経て旅立っていく計算になります。

集団で移動する理由

南下の時期になると、ツバメが電線や河川敷のヨシ原に数十羽から数百羽単位で集まる「ねぐら入り」の様子が各地で見られます。これは渡りの準備段階で、集団でいることで外敵から身を守りやすくなるほか、飛行のタイミングを合わせやすくなる利点があると考えられています。夕方になると河原の上空を群れで飛び回ってからねぐらに降りる光景は、9月から10月にかけての風物詩とも言える行動です。ねぐらの規模は場所によって差がありますが、周辺の複数の巣で生まれた個体が合流するため、繁殖期には見られなかった数のツバメが一度に観察できることもあります。日中は畑や河川敷で虫を捕り、夕方になるとねぐらに集まるという行動パターンが、南下の時期が近づくにつれて日ごとにはっきりしてきます。

越冬地での暮らしと寿命

越冬地はフィリピン、マレーシア、インドネシア、ベトナム南部など東南アジア一帯です。日本で繁殖したツバメたちは、ここで冬を越して春にまた日本を目指します。ツバメの寿命は平均すると1.5年ほどとされ、若い個体の死亡率は約80%にのぼりますが、これは生後1年以内に命を落とす個体が多いことを示すもので、生理的な寿命そのものは15〜16年ほどあるとされています。厳しい渡りと子育てを何度も乗り越えた個体だけが、長く生きられるということになります。

見かけなくなった時期の勘違いしやすいポイント

実は、9月に入って姿を見なくなったからといって、それが必ずしも「渡りが完了した」ことを意味するわけではありません。地域や個体によっては10月に入ってもまだ日本国内を移動中のツバメが観察されることがあり、南下にも飛来と同様に幅があります。「もう1羽も見ない」と感じても、それは自宅周辺での目撃がなくなっただけで、少し離れた河川敷のねぐらにはまだ集団が残っている、ということも十分にあり得ます。

🐦 ツバメの基本スペックカード
分類ツバメ科ツバメ属
全長・翼開長全長17cm前後・翼開長32cm前後
日本にいる時期3月頃〜10月頃(夏鳥)
越冬地フィリピン・マレーシア・インドネシア・ベトナム南部など
渡航距離約2,000〜5,000km
寿命平均1.5年、生理的寿命は15〜16年

イワツバメ・コシアカツバメとの違いは?似た時期に現れる仲間たち

結論:営巣期はほぼ同じ、見分けるのは腰の色と巣の形

日本には5種類のツバメの仲間が見られますが、中でもツバメと同じ4月〜8月頃に営巣するのが、イワツバメとコシアカツバメです。時期だけで見分けるのは難しいため、体の特徴と巣の形で区別するのが確実です。腰の色と巣の形という2つのポイントさえ押さえれば、飛んでいる姿でも巣だけを見つけた場合でも見分けがつきます。

イワツバメの特徴(腰が白い、つぼ型の巣)

イワツバメは全長約14cmとツバメよりひとまわり小さく、頭から背にかけて紺色の光沢がある黒、そして腰が白いのが最大の特徴です。飛んでいるときの尾は短く、浅い凹型でツバメのように長く分かれてはいません。巣は上部に出入り口がついた「つぼ型」で、学校の壁や大型のコンクリート建造物に集団で営巣する習性があります。ツバメが1軒の家に1〜2つの巣を作るのに対し、イワツバメは同じ壁面に何十もの巣が並ぶことがあり、見た目の印象も大きく異なります。

コシアカツバメの特徴(腰が橙赤色、徳利型の巣)

コシアカツバメはツバメよりひとまわり大きく、全体の体色はツバメによく似ていますが、腰の部分が橙赤色をしているのが最大の見分けポイントです。巣は「とっくり(徳利)」のような形をしており、入口が細長いトンネル状になっているのが特徴的です。イワツバメと同様に学校の壁などで集団営巣する習性があり、腰が白いイワツバメと橙赤色のコシアカツバメは、色を見れば明確に区別できます。

見分けに迷ったときのチェックポイント

3種を見分けるコツは、まず腰の色を確認することです。腰が体と同じ濃い色ならツバメ、白ければイワツバメ、橙赤色ならコシアカツバメと判断できます。飛んでいる姿で腰が見えにくい場合は、尾の形(長く二つに分かれる=ツバメ、短く浅い凹型=イワツバメ)や、巣の形(椀状=ツバメ、つぼ型=イワツバメ、徳利型=コシアカツバメ)を手がかりにすると判断しやすくなります。3種とも人工物に営巣する習性があるため、同じ建物の別の場所にそれぞれの巣が同居していることもあります。イワツバメとコシアカツバメはどちらも日本全国で見られるものの、ツバメに比べると個体数は少なく、特定の橋や学校、大型施設の壁面など、集団営巣に適した場所に偏って見られる傾向があります。近所でツバメらしき鳥をたくさん見かけたら、実は集団営巣するイワツバメやコシアカツバメだった、ということも珍しくありません。

比較項目 ツバメ イワツバメ コシアカツバメ
全長の目安 17cm前後 14cm前後 ツバメより大きめ
腰の色 体と同じ濃色 白色 橙赤色
尾の形 長く二つに分かれる 短く浅い凹型 ツバメに近い
巣の形 椀状 つぼ型(上部に出入口) 徳利型(トンネル状の入口)
営巣期 4月末〜8月 4月〜8月頃 4月〜8月頃

ツバメの仲間の見分け方をさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。

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つばめの鳴き声でわかる「今」の状況

結論:鳴き声を聞き分ければ、求愛・警戒・給餌要求が区別できる

ツバメの鳴き声は一種類ではなく、場面ごとに使い分けられています。求愛のためのさえずり、ペア形成のための低い鳴き声、ヒナの成長段階で変わる鳴き声、そして天敵への警戒音など、鳴き声を知っておくと「今、この巣で何が起きているか」がある程度推測できるようになります。

さえずり(チュピチュピジー)が聞こえたら

「ちゅぴちゅぴちゅぴ、じー」というさえずりは、主にオスが出す声で、メスを呼んだり求愛のために出すとされています。飛来直後から営巣期にかけてよく聞かれる声で、電線や巣の近くでこの声がしていたら、そのオスがパートナーを探している、あるいは縄張りを主張している最中である可能性があります。

ジャージャー鳴きが聞こえたら(ヒナの成長サイン)

成長したヒナは「ジャージャー」と大きく鳴くようになります。親鳥は自然と、より大きく鳴くヒナを優先的に給餌するとされており、これによってすべてのヒナが適切な栄養を確保できる仕組みになっています。巣の中からこの声が聞こえてきたら、ヒナが順調に育って巣立ちが近づいているサインと捉えることができます。ちなみに、まだ目が開かない孵化直後の段階では「チュイ鳴き」という別の声で、親が食事を運んできたことをヒナに伝えています。

ツピー鳴きが聞こえたら(天敵警戒)

ツバメがカラスやネコなどの天敵を見つけると「ツピー」という鳴き声で警戒を伝えます。この声は隣接する他のツバメにも危険を知らせる役割を持つとされ、1つの巣だけでなく周辺の巣にも影響が及びます。庭先や軒先でこの声が続くようであれば、近くに天敵が来ている可能性があるため、様子を見てあげるとよいでしょう。なお、オスがメスに巣場所を見せて誘う「ジージー鳴き」という低めの声もあり、ペア形成の初期段階でよく使われます。また、オスが交尾を仕掛ける際には「チャカ鳴き」という別の声を出すことも報告されており、ツバメの鳴き声は単純な「ピーチクパーチク」ではなく、繁殖行動の一つひとつに対応した複数のパターンで構成されていることがわかります。

📌 鳴き声から読み取れること

さえずり=求愛・縄張り主張、ジージー鳴き=ペア形成、ジャージャー鳴き=ヒナの成長と給餌要求、ツピー鳴き=天敵への警戒。鳴き声のパターンを知っておくと、巣に近づかなくても子育ての進み具合がある程度わかります。

ツバメの鳴き声について、6種類の全パターンをさらに詳しく知りたい方はこちらもあわせてどうぞ。

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つばめの巣とフン、いつ対策すればいい?時期別の注意点

結論:フン受け・カラス対策は産卵後、巣の撤去は巣立ち後が原則

ツバメの巣は好意的に見守られることも多い一方、フンによる汚れや、巣を撤去したいという相談も少なくありません。ただし対策には守るべき時期とルールがあります。鳥獣保護管理法により、卵やヒナがいる野鳥の巣は都道府県知事の許可なく撤去することが禁止されています。違反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になり得ます。撤去できるのは、鳥が巣立った後で、中に卵やヒナが残っていないことを確認できた「空の巣」に限られます。

巣の撤去は法律で制限されている

「フンが汚いから」「うるさいから」といった理由であっても、卵やヒナが入っている巣を勝手に撤去することはできません。長岡京市の案内によれば、この規制は自治体の許可がない場合に適用され、違反時には1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金のいずれかの刑罰が科される可能性があるとされています。困りごとがある場合は、まず各都道府県の野生生物課や市町村の環境課に相談するのが適切な対応です。詳しくは環境省の鳥獣保護管理法のページで確認できます。

フン受けの正しい設置時期と距離

フン害への現実的な対策は、巣の下にフン受けシートやダンボール箱を設置することです。ただし設置時期を間違えると逆効果になります。フン受けは卵が産まれた後の孵化時期が始まってから設置するのが基本で、巣作り中や産卵前に設置すると、ツバメが警戒して巣を放棄してしまうことがあるため注意が必要です。設置する位置は巣から約40cm下が目安とされています。「早めに準備しておこう」と産卵前からフン受けを付けてしまい、結果的にツバメに巣を放棄されてしまうのは、よくある失敗パターンの一つです。

相談先・トラブルを避けるための心構え

カラス対策として網やストリングを張る場合も、産卵後に設置し、巣作り中の設置は避けるのが基本です。設置位置の目安は巣から約50cm以下とされています。夏に二番子の営巣がある場合は、一番子の巣立ち後にいったんフン受けを取り外して清掃し、二番子のために再び準備し直すという流れになります。庭や玄関先で見守りたい人は上記のタイミングを、商店や駐車場でフン汚れに困っている人はまず自治体に相談するところから始めると、ツバメとの共存とトラブル回避の両立がしやすくなります。個人の住宅で子育てを見守りたい場合は、フン受けの設置と定期的な清掃だけで対応できることが多い一方、駅舎や商業施設のように人通りが多く衛生面の配慮がより必要な場所では、施設の管理者が自治体と相談しながら対応を決めているケースもあります。立場によって最適な対応は変わるため、まずは自分の状況が「見守る側」か「管理する側」かを整理してから、必要な対策を選ぶとよいでしょう。

⚠️ 注意:巣の撤去タイミング

卵やヒナが入っている巣を無許可で撤去すると、鳥獣保護管理法違反となり罰則の対象になり得ます。撤去は巣立ちが終わり、巣が完全に空になったことを確認してから行ってください。判断に迷う場合は自己判断せず、都道府県の野生生物課や市町村の環境課に相談しましょう。

まとめ:つばめの時期を知れば、庭先の観察がもっと楽しくなる

🐦 この記事の結論

ツバメの時期は九州3月・北海道4月から始まり、9〜10月の南下で終わります。地域差と個体差を前提に見守るのが一番です。

✅ 要点チェック
  • 飛来:九州3月上旬〜北海道4月以降、地域で1か月差
  • 子育て:営巣4月末〜8月、孵化から3週間で巣立ち
  • 渡りの仕組み:気温でなく日照時間で開始時期が決まる
  • 南下:9〜10月に集団で東南アジアの越冬地へ
  • 巣の対応:撤去は巣立ち後、フン受けは孵化後に設置

ツバメの時期は「いつ来て、いつ子育てをし、いつ去るか」という一連の流れとして捉えると理解しやすくなります。まずは自宅周辺の電線や軒先を意識して見上げてみることから始めてみてください。二番子がいる巣なら、8月中旬までもう一度巣立ちの様子を観察できるかもしれません。時期ごとの目安を頭に入れておけば、「今日見た行動は何のサインなのか」がわかるようになり、庭先や通勤路でのちょっとした観察が、これまでより一段と楽しくなるはずです。

※記事内の時期はいずれも目安です。年や地域、個体差によって前後することがあるため、最新の状況は日本野鳥の会バードリサーチなどの公式情報もあわせてご確認ください。

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この記事を書いた人

野鳥の教科書編集部です。テーマに関する基礎知識や選び方を、公式情報など確認できる情報をもとに編集しています。掲載後も定期的に見直し、変更があれば更新します。

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