「バードフィーダーって、100均の材料で作れないのかな」——庭に来るスズメやシジュウカラを近くで見たくなると、たいていここに行き着きます。ホームセンターの木製餌台は数千円。そこまで出す前に、まず試してみたい気持ちはよくわかります。
結論から言うと、100円ショップの材料で餌台は組めます。板1枚と角棒1袋、それに麻ひもを足して330円。のこぎりすら使わない組み方もあります。ただし「作れる」と「鳥が来る」は別の話で、実際につまずくのは工作ではなく置き場所・餌の量・掃除の3つです。ここを外すと、きれいに作った餌台が2週間放置されます。
この記事では、100円ショップで何をどう選ぶか、寸法をどこで決めるか、そして餌台を出す前に知っておくべき衛生と季節のルールまでをまとめて解説します。作る手を動かす前に、5分だけ読んでみてください。
・100円ショップに完成品の餌台は置いてあるのか、代わりに何を買えばいいのか
・材料3点330円で組める3タイプの作り方と、決めておくべき4つの寸法
・餌台に来る5種の野鳥(全長12cm〜33cm)と、大型の鳥に占領されたときの考え方
・日本野鳥の会が示す餌台の消毒方法と、給餌を自粛すべき条件
100均にバードフィーダーは売っている?棚の前で迷わないための答え

完成品を探すより、材料を組む方が確実に早い
先に答えを書くと、100円ショップで完成品のバードフィーダーを探すのはあまり効率がよくありません。園芸コーナーや季節催事コーナーに冬期だけ入荷することはありますが、取り扱いは安定せず、店舗によって並んでいないことのほうが多いのが実情です。
理由は単純で、野鳥の餌台は季節商材だからです。冬に需要が集まり、春には棚から消える。定番棚に年間を通して置く商品にはなりにくいカテゴリーなのです。一方で、餌台の材料になる桐板・ワイヤーネット・植木鉢の受け皿・結束バンドは、いずれも定番棚の商品です。1年中、たいていの店舗にあります。
つまり「餌台コーナー」を探して3店舗回るより、園芸コーナーとDIYコーナーで材料を3点かごに入れたほうが、その日のうちに完成します。実際、DIY投稿サイトや動画で紹介されている100円ショップ製のフィーダーも、そのほとんどが材料の組み合わせです。
ひとつ豆知識を。店員さんに「野鳥の餌台はありますか」と聞くと、ペット用の鳥かご用エサ入れの棚に案内されることがあります。あれは屋内でカゴに引っ掛ける小さな容器で、屋外の餌台とは別物です。聞くなら「植木鉢の受け皿はどこですか」のほうが、話が早く進みます。
回るべき売り場は園芸・DIY・ペットの3か所だけ
材料集めで迷わないために、行く売り場をあらかじめ3つに絞っておきます。園芸コーナー(植木鉢の受け皿、麻ひも、支柱)、DIY・工具コーナー(桐板、角棒、木ねじ、結束バンド)、ペットコーナー(ひまわりの種などの餌)です。この3か所を順に回れば、10分で買い物が終わります。
なぜこの3か所かというと、餌台の構造が「受け皿・支え・吊り具」の3要素しかないからです。受け皿は園芸か食器、支えはDIY、吊り具は園芸か手芸。この対応さえ頭に入っていれば、目当ての商品名が思い出せなくても、代わりになるものが同じ棚で見つかります。
具体的には、ダイソーの園芸・植木鉢コーナーには直径15cmの植木鉢皿(6号・2枚入)や、7.5×7.5×1.8cmの素焼植木鉢皿(3枚入・テラコッタ製)が並んでいます。どちらも税込110円。前者は皿そのものを餌の受けに、後者は小鳥用の小皿として使えます。
注意したいのは、店舗ごとの品揃え差です。小型店では木材の取り扱いがなく、板が見つからないことがあります。その場合はワイヤーネットと受け皿の組み合わせに切り替えれば、木材ゼロでも餌台は成立します。買えなかった材料に固執せず、構造を組み替えるほうが早いです。
餌も100均で買えるが、ペット用であることを忘れずに
餌台に何を入れるかも、同じ店で解決できます。ダイソーのペット用品には、ひまわりの種(80g・税込110円)、鳥のエサ ムキエサ(135g・税込110円)、皮むきシード(150g・税込110円)といった商品があります。ひまわりの種はハムスターやリス類、中型インコ以上の小鳥向けとして販売されているものです。
ここで押さえておきたいのは、これらがペット用として売られている商品だという点です。野鳥用として設計・表示されたものではありません。野鳥の餌台にひまわりの種を置く人は多いですが、「ペット用の商品を流用している」という前提は理解しておいたほうがいいでしょう。
量の目安も重要です。80gや135gという内容量は、餌台に使うと意外に早くなくなります。ただし、あとで詳しく書きますが、餌台には1日で食べきる程度の量しか入れないのが原則です。袋を一度に空けてしまうのは避けてください。残った餌にフンが混じり、それを別の鳥が食べることになります。
豆知識として、鳥によって好みが分かれます。シジュウカラは種子を足で押さえてつつく習性があるので殻つきのひまわりの種を扱えますが、殻を割るのが苦手な鳥もいます。ムキエサや皮むきシードは殻の散らかりが出ない分、ベランダでは掃除が楽になります。
同じ100円ショップの材料で巣箱を作る話は、別の記事でまとめています。餌台と巣箱では必要な精度がまったく違うので、あわせて読むと選びやすくなります。

材料は3点・330円。工具なしで組める餌台のかたち
いちばん簡単なのは、受け皿+ワイヤーネット+結束バンド
のこぎりもドライバーも使いたくないなら、この3点で組む吊り下げ型が最短です。植木鉢の受け皿をワイヤーネットの上に載せ、長さ200mmの結束バンドで4点を固定するだけ。合計330円、作業時間は5分ほどです。
この形が成り立つのは、ワイヤーネットが「格子状の平面」だからです。結束バンドを通す穴が最初から無数に空いているので、穴あけ作業がまるごと不要になります。ワイヤーネットは約29.5×29.5cm、約33×33cm、約40×40cmといった正方形サイズが税込110円で並んでおり、餌台の土台には29.5cm角か33cm角がちょうどいい大きさです。
使い方は、ワイヤーネットの四隅に麻ひもを結んで枝から吊るすか、ベランダの手すりに結束バンドで直接固定します。受け皿が直径15cmなら、周囲に鳥が降りて立つ余白も残ります。この「立つ余白」があるかどうかで、鳥の滞在時間はかなり変わります。
弱点も正直に書いておくと、この形には屋根がありません。雨が降れば餌が濡れ、ふやけます。雨の予報が出たら受け皿の餌を空けるか、屋根つきの形に作り替える必要があります。手軽さと引き換えに、天気に合わせた一手間が発生する構造です。
桐板2枚で作るプレート型は、切らずに済ませられる
木の質感が欲しい人には、桐板を使うプレート型があります。セリアの桐板は長さ45cmで統一されており、幅9cm・12cm・15cmの3種類、厚さは9mmです。ダイソーにも450×200×9mmや400×150×9mmといった桐板があります。
桐を選ぶ理由は軽さです。桐板は軽くて柔らかく、キリで下穴を空けるのも、のこぎりで切るのも手が疲れません。屋外に吊るす餌台は軽いほうが枝への負担が小さく、風で揺れても金具が傷みにくくなります。
組み方は、450×150×9mmの桐板を土台にして、セリアの角棒(450×12×12mmの3本セット)を四辺に貼り、ふちを作ります。ふちの高さは12mm。角棒をそのまま使えば切らずに済み、餌がころがり落ちるのを防げます。接着は屋外用の接着剤か、長さ20mmの木ねじを使います。木ねじを使う場合は、直径2mmの下穴を先に空けてください。桐は柔らかいので、下穴なしでねじ込むと割れます。
やりがちな失敗が、板を目一杯の大きさで使うことです。45cm×15cmの板をそのまま餌台にすると、面積が広すぎて餌が散らばり、掃除の手間が倍になります。半分の長さに切って22cm前後にすると、ちょうど扱いやすい大きさになります。のこぎりで切るときは切りしろ2mmを見込んで線を引いてください。
すのこを使えば、屋根つきが一気に近づく
雨対策まで含めて作りたいなら、すのこが便利です。ダイソーの桐すのこは4サイズ展開で、33×50×2.7cmのものは税込220円。すのこはすでに「板+角材」の構造になっているので、分解すれば板材と角材が同時に手に入ります。
屋根つきにする理由は、餌が濡れないことと、上空からの視界を遮って鳥に安心感を与えることの2つです。餌台に屋根があると、猛禽類や上からの気配を気にする小鳥が落ち着いて滞在しやすくなります。ただし屋根が低すぎると出入りしにくくなるので、土台との間は鳥が立てる高さを確保します。
実際の作り方は、すのこ1枚を土台に使い、もう1枚(またはダイソーの450×200×9mmの桐板)を屋根に。支柱には450×直径15mmの丸棒を4本立てます。屋根は土台より前後に30mmずつ張り出させると、横なぐりの雨でなければ餌が濡れません。材料は土台・屋根・丸棒・木ねじの4点で440円、麻ひもを足すと550円ほどになります。
ここは意外と知られていないのですが、屋根は必ずしも必要ではありません。屋根を付けると重くなり、掃除のたびに手を差し入れる形になって面倒が増えます。ベランダの軒下や庇の下に置くなら、屋根なしのプレート型で十分機能します。屋根は「雨がかかる場所に置くとき」の装備だと考えてください。
| 比較項目 | 吊り下げ型(ネット+皿) | プレート型(桐板) | 屋根つき型(すのこ) |
|---|---|---|---|
| 材料費の目安 | 330円 | 330円 | 550円 |
| 必要な工具 | なし(はさみのみ) | のこぎり・キリ | のこぎり・ドライバー |
| 作業時間 | 約5分 | 約30分 | 約60分 |
| 雨に強いか | 弱い | やや弱い | 強い |
| 向いている場所 | ベランダの手すり | 軒下・庇の下 | 庭の独立した場所 |

作る前に決める4つの寸法。ここを外すと鳥は来ません

水抜き穴は、餌を置く前に空けておく
土台の板や受け皿には、直径5mmの水抜き穴を4か所空けておきます。これは作ってから追加するのが面倒な作業なので、必ず組み立て前に済ませてください。
水抜きが要る理由は、餌が濡れて固まると腐敗が早まるからです。雨がたまった受け皿の中でひまわりの種が水を吸うと、半日でふやけ、翌日にはカビが出ることもあります。カビた餌をそのままにしておくと、餌台そのものが野鳥にとって害のある場所になってしまいます。
穴の空け方は簡単で、桐板ならキリをぐりぐり回すだけで貫通します。植木鉢の受け皿は素焼きや樹脂なので割れやすく、無理に穴を空けようとするより、皿を少し傾けて設置して水が流れるようにするほうが安全です。ワイヤーネットの上に載せる形なら、受け皿を斜めに固定できます。
失敗しやすいのが、穴を大きくしすぎることです。直径5mmを超えると、ムキエサや小さな種子が穴から落ちてしまいます。「水は抜けるが種は落ちない」境目が、だいたいこのあたりです。迷ったら小さめに空けて、水はけが悪ければ増やすほうが確実です。
ふちの高さ12mmが、餌のこぼれ方を決める
土台の四辺に付けるふちは、12mmあれば十分です。セリアの角棒(450×12×12mm)をそのまま貼れば、切らずにこの高さになります。
ふちが必要なのは、風で餌が飛ぶのを防ぐためです。ひまわりの種は軽く、ふちのない平板に置くと風の強い日は数分でなくなります。かといって高すぎるふちは、鳥が中の餌を見つけられなくなる原因になります。外から餌が見えることは、餌台に降りるきっかけとして大きな意味を持ちます。
実際の判断基準は「置く餌の粒が隠れない高さ」です。ひまわりの種の粒はおおむね1cm前後なので、12mmのふちなら上端から少し覗く状態になります。ムキエサのような細かい餌を使うなら、もう少し高くても構いません。
豆知識として、ふちは四辺すべてに付けなくても機能します。三辺だけにして一辺を開けておくと、掃除のときに餌かすを一方向にはき出せて楽になります。毎日掃除する前提で作るなら、こちらのほうが実用的です。
屋根の張り出し30mmと、支柱の直径15mm
屋根つき型にする場合、屋根は土台より前後に30mmずつ張り出させます。支柱には直径15mmの丸棒(450×直径15mm)を4本使うと、風で倒れにくい安定した形になります。
張り出しが要るのは、雨が真下にだけ落ちるわけではないからです。少し斜めに降る雨でも、屋根と土台が同じ大きさだと縁から餌に届いてしまいます。30mmの余白があるだけで、餌が濡れる頻度ははっきり下がります。
支柱の太さも見た目以上に効きます。細い丸棒(直径6mmや9mm)でも組めますが、キジバトのような全長33cmの鳥が乗ると、たわんで揺れます。揺れる餌台は鳥に避けられるので、直径15mm以上を選ぶほうが結果的に鳥が居着きます。
注意点として、丸棒を土台にねじ止めするときは必ず直径2mmの下穴を空けてください。丸棒は断面が円形なので、下穴なしにねじを入れると割れやすく、しかも斜めに入ります。4本の高さがそろわないと屋根が傾き、雨が一方向に流れ落ちるようになります。
牛乳パックなど、木材を使わない手作りの餌台についてはこちらでも詳しく扱っています。失敗例も5つ挙げているので、作る前の下調べに使えます。

実際に来るのはこの5種。全長12cmから33cmまで
白いほおに黒いネクタイ、シジュウカラは足で種を押さえる
庭の餌台でいちばん見応えがあるのがシジュウカラです。全長14cm、スズメ目シジュウカラ科の小鳥で、日本野鳥の会の図鑑では市街地から山地まで広く分布するとされています。
見分けるポイントははっきりしていて、白いほおと、胸から腹に走る黒いネクタイ模様です。このネクタイは雄のほうが雌より太いので、餌台に来た個体の性別も見分けられます。慣れてくると、双眼鏡なしで判別できるようになります。
餌台での動きも独特です。ひまわりの種をくわえると、その場では食べずに近くの枝へ運び、足で押さえてつつき割ります。餌台に長居しないので「一瞬来て消えた」ように見えますが、周囲の枝を見ると同じ個体が往復していることがよくあります。
声を覚えておくと、姿を見る前に来訪がわかります。さえずりは細い声で「ツーピー」「ツツピー」を繰り返し、地鳴きの「ジュクジュク」と濁った声はシジュウカラ独特のものです。この濁った声が庭で聞こえたら、餌台に目をやってみてください。
| 分類 | スズメ目シジュウカラ科 |
| 全長 | 14cm |
| 餌台に来やすい季節 | 12月〜2月(野山の餌が少ない時期) |
| 生息環境 | 市街地から山地まで |
| 鳴き声 | さえずり「ツーピー」「ツツピー」/地鳴き「ジュクジュク」 |
| 見分けの決め手 | 白いほお+胸から腹の黒いネクタイ模様(雄は太い) |
スズメは群れで来る。人家の近くだけに暮らす鳥
餌台を出して最初に見つけるのは、たいていスズメです。全長14.5cm、翼開長22.5cm。日本野鳥の会の図鑑には「人家付近でのみ見られる」と記載されており、庭やベランダは彼らの生活圏そのものです。
スズメが群れで来るのは、警戒を分担するためだと考えられています。1羽が食べているあいだ、別の個体が周囲を見張る。だから餌台に来るときも、まず電線や近くの枝に数羽で止まり、しばらく様子をうかがってから降ります。この「様子をうかがう場所」が近くにないと、餌台には降りてきません。
見分け方はほおの黒い斑です。幼鳥では色がうすくなるので、夏から秋に来る群れの中に「ほおの斑がぼんやりした個体」がいたら、その年生まれの若鳥です。地面での動きも特徴的で、歩くときは両足をそろえて跳ねます。
注意点として、スズメの群れが定着すると餌の減りが速く、他の鳥が入る隙がなくなることがあります。シジュウカラやメジロを見たい場合は、餌台をもう1か所離して置く、あるいは吊り下げ型にして群れが一度に乗れないようにする、といった工夫が効きます。
メジロは全長12cm。餌台のサイズ設計はこの鳥に合わせる
スズメより小さく、上面が緑色で目のまわりが白い——メジロは全長12cmと、庭に来る鳥の中でも小型です。常緑広葉樹林を好み、北海道や山地の個体は秋冬に暖地や低地へ移動します。
メジロが庭で目立つのは、花の蜜や果実を好むからです。ひまわりの種のような硬い種子より、切ったミカンなどの果実に反応します。餌台に果実を置く場合は、皿の上に転がすのではなく、突起や串に刺して固定するとつつきやすくなります。
地鳴きは「チィー」、さえずりは「チーチュルピーチュル」を繰り返す長く複雑な声です。姿が小さく葉に隠れやすいので、声で気づくことのほうが多い鳥でもあります。
設計上のポイントとして、餌台の受け皿の大きさはメジロを基準に考えると失敗しません。直径15cmの植木鉢皿なら、全長12cmのメジロが2羽並んでも余裕があります。大型の鳥に合わせて大きく作ると、小鳥にとっては「身を隠せない広場」になってしまいます。
ヒヨドリとキジバトが来たとき、どう考えるか
餌台を出して数日すると、たいてい大きい鳥が現れます。ヒヨドリは全長27cm、キジバトは全長33cm・翼開長55cm。どちらも市街地から山地まで広く生息しており、庭の餌台は彼らにとっても格好の餌場です。
大型の鳥が来ると小鳥が入れなくなるのは、単純に体格差と滞在時間の問題です。ヒヨドリは「ピーヨ」「キーヨ」と甲高くのばす声で鳴き、興奮すると頭の羽毛を逆立てます。キジバトは「デッデ、ポッポー」と低い声で繰り返し鳴き、雌雄2羽で行動することが多い鳥です。どちらも一度居座ると長く食べ続けます。
対処の考え方は「排除」ではなく「分ける」ことです。ヒヨドリやキジバトも在来の野鳥であり、追い払う対象ではありません。現実的なのは、吊り下げ型のように不安定で大型の鳥が乗りにくい形にする、餌を少量ずつ複数回に分けて置く、といった方法です。
ここは正直に書いておきますが、100円ショップの材料で「小鳥だけが入れる構造」を作るのは簡単ではありません。市販の小鳥専用フィーダーはケージの目合いを精密に設計しています。自作でそこを狙うより、来た鳥を素直に観察するほうが、結果として得られる時間は長くなります。
| 野鳥 | 全長 | 餌台での特徴 | 見分けの決め手 |
|---|---|---|---|
| メジロ | 12cm | 果実に反応。少数で来る | 上面が緑色・目のまわりが白い |
| シジュウカラ | 14cm | 種を運び出し枝で食べる | 白いほお・黒いネクタイ模様 |
| スズメ | 14.5cm | 群れで来て長く居る | ほおの黒い斑・跳ねて歩く |
| ヒヨドリ | 27cm | 居座りやすい。声が大きい | 目の下の後方が茶色・羽毛を逆立てる |
| キジバト | 33cm | 2羽で来て地面の餌も拾う | 翼と背のうろこ模様・尾の先が白い |
※全長は日本野鳥の会「BIRD FAN」掲載値。餌台での行動は野鳥の教科書調べ。
同じ餌台でも、置く場所で来る鳥がゼロになる
地面から1m以上、見通しのいい場所に置く
餌台の設置で最初に決めるのは高さです。置くタイプの餌台は、猫などが潜む場所のない見通しの良い高所に設置し、地面から1メートルくらいの高さがあればまず安心とされています。
高さが要る理由は、地上の捕食者から距離を取るためです。鳥が餌を食べる姿勢は、頭を下げて周囲への注意が薄くなる瞬間です。その瞬間に飛びかかられない距離が確保されているかどうかを、鳥は降りる前に判断しています。
実際の目安は、周囲180度が見渡せるかどうかです。塀のすぐ内側や、生け垣に接した位置は高さがあっても死角が生まれます。庭の中央寄り、あるいはベランダなら手すり側に置くと、鳥からの見通しが確保できます。
豆知識として、餌台から3〜5m離れたところに枝や物干し竿があると、鳥は使いやすくなります。いきなり餌台に降りるのではなく、一度そこに止まって安全を確認してから降りるからです。この「中継地点」がない庭では、餌台の利用率が下がります。
窓ガラスのすぐ前に置くと、衝突事故が起きる
これは実際によくある失敗です。「部屋から見たいから」と大きな掃き出し窓のすぐ前に餌台を置くと、野鳥がガラスに激突する事故が起きます。餌台は大きな窓ガラスの近くには設置しないことが推奨されています。
原因は、ガラスに映り込んだ空や庭の景色を、鳥が「通り抜けられる空間」だと認識してしまうことです。餌台から飛び立った直後は加速しているので、衝突すれば致命傷になることもあります。
対策は2つ。餌台を窓から離すか、大きな窓ガラスにカーテンやブラインドを設置して、鳥に窓を通り抜けられないことを知らせることです。カーテンを引くだけで映り込みが減り、ガラスの存在が鳥に伝わりやすくなります。
観察を優先したい場合は、窓のすぐ前ではなく、部屋から斜めに見える位置に置くのが現実的です。真正面に置くより、鳥が飛び立つ方向がガラスから逸れます。窓越しの観察は続けられて、衝突リスクは下げられます。
猫が潜める茂みの横は、避けるだけで解決する
餌台の下や横に低木の茂みがあると、猫が身を隠す場所になります。猫が潜めそうな茂みの側に設置しないよう、ある程度開けた場所に置くのが基本です。
ここが重要なのは、餌台が「鳥を1か所に集める装置」だからです。集まった鳥を狙う動物にとって、餌台の周辺は待ち伏せに向いた場所になります。餌台を出すということは、鳥を呼ぶ責任も同時に引き受けるということです。
判断の仕方はシンプルで、餌台の真下にしゃがんでみて、体が隠れる高さの植え込みがあるかを見ます。隠れられるなら、餌台の位置を1〜2mずらすか、植え込みを刈り込むかのどちらかです。設置後に猫の姿を見かけたら、その日のうちに動かします。
マンションのベランダでは事情が変わります。2階以上のベランダに置く場合は平置きでも問題ありませんが、餌台は窓側ではなく手すり側に置くのが推奨されています。窓側だとガラスへの衝突と、室内の人の動きへの警戒の両方が起きるためです。
失敗1:大きな窓の真正面に設置/ガラスへの衝突事故につながります。窓から離すか、カーテン・ブラインドで映り込みを減らしてください。
失敗2:生け垣や植え込みに接した場所に設置/猫の待ち伏せ場所になります。真下にしゃがんで身が隠れるようなら、位置をずらしてください。
100均バードフィーダーが3か月でダメになる理由
桐板は軽いぶん、雨で反りやすい
桐板の弱点は、屋外での耐久性です。軽くて加工しやすいという長所は、水を吸いやすく反りやすいという短所と表裏一体になっています。雨ざらしの場所に置いた厚さ9mmの桐板は、ひと冬を越えると波打ってくることがあります。
反る仕組みは、板の表と裏で水分の吸い方が違うためです。上面は雨や餌の水分を受け、下面は乾いた状態が続く。この差が板を曲げます。ふちを接着していると、反ったときに接着面がはがれてきます。
対策は、軒下や庇の下に置いて雨を直接当てないこと、そして屋外用の水性塗料やニスを塗ることです。ただし塗るのは板の裏面と側面、屋根の上面に留めます。餌が直接触れる面や、鳥が足をかける面には塗らないほうが無難です。
もうひとつの考え方として、「消耗品と割り切る」選択肢があります。330円で作れるのですから、1シーズンごとに作り直せば、劣化した餌台を使い続けるより衛生的です。塗装の手間をかけるか、作り直すか。どちらが自分に合うかで選んでください。
結束バンドは紫外線で切れる。これが失敗パターンの定番
工具なしで組める吊り下げ型で、いちばん先に壊れるのは結束バンドです。長さ200mmの汎用ナイロン製バンドは屋内向けで、屋外で紫外線を浴び続けると硬化し、あるとき突然パキッと折れます。
怖いのは、劣化が見た目でわかりにくいことです。表面はきれいなまま内部がもろくなり、鳥が乗った瞬間に受け皿ごと落ちる。ベランダなら階下へ落下する可能性もあります。
実際の対策は3つあります。屋外用(耐候グレード・黒色)の結束バンドを選ぶ、金属のワイヤーや針金に置き換える、または1〜2か月ごとに交換する。黒色の耐候タイプは紫外線に強く、屋外での寿命が伸びます。
点検の目安を決めておくと忘れません。餌台の掃除をするタイミングでバンドを指で軽くひねり、硬く感じたら交換します。この「掃除のついでに点検」という組み合わせにしておくと、劣化を見逃しにくくなります。
ワイヤーネットの錆と、金具の摩耗
ワイヤーネットも屋外では錆びます。表面が樹脂コーティングされたものでも、結束バンドで締めた箇所や、曲げた部分のコーティングが割れたところから錆が進みます。
錆そのものが直ちに鳥に害を及ぼすわけではありませんが、問題は強度です。錆びた線材は細くなり、鳥が止まる荷重で曲がります。餌台が傾けば餌がこぼれ、傾いた面は鳥にとって降りにくい場所になります。
選ぶときのコツは、クロームメッキより樹脂コーティング(オフホワイトや黒)のものを選ぶことです。ダイソーのワイヤーネットには約29.5cm角、約33cm角のほか、約80×29.5cmや約62×40cmといった大判サイズもあり、大判のものは税込220円です。餌台には小さいサイズで足ります。
あわせて、麻ひもも消耗品だと考えてください。麻は自然素材なので雨と紫外線で確実に弱り、1シーズンで切れることがあります。60cmの麻ひもを2本使う吊り方なら、片方が切れても即落下にはなりませんが、定期交換は必要です。
桐板の反り、結束バンドの紫外線劣化、ワイヤーネットの錆。いずれも数か月単位で進みます。330円で作れる利点を活かし、給餌シーズンごとに作り直すほうが、補修を重ねるより衛生的で安全です。まず1つ作り、来た鳥を見てから次の形を決める——この順番が結局いちばん早道です。
餌を置く前に決めておく、掃除と「やめどき」
入れる量は「1日で食べきる程度」まで
餌台の運用でもっとも大切なのが、餌の量です。日本野鳥の会は、できるだけ1日で食べきる程度の餌を入れることを呼びかけています。餌台に古い餌が残るとフンが餌に交じり、これを他の野鳥が食べてしまうためです。
この一文は、餌台の設計思想そのものを表しています。餌台は「鳥にたくさん食べさせる装置」ではなく、「鳥が安全に食べられる状態を人が管理する場所」です。管理できない量を置いた時点で、餌台は役割を果たせなくなります。
実際の量は、来る鳥の数によって変わります。最初は少なめに入れて、夕方に残っていれば翌日は減らす。逆に昼前になくなるなら少し増やす。数日で自分の庭に合った量が見えてきます。80gのひまわりの種を一度に空けるようなことは避けてください。
注意点として、旅行や出張で数日家を空ける予定があるなら、その前から餌の量を減らして、出発前には空にしておきます。餌台に慣れた鳥が急に餌を失うより、そもそも依存させないほうがよいという考え方です。
消毒は「キッチンハイター約1.2杯を5Lの水」で
掃除と消毒の具体的な方法も、日本野鳥の会が示しています。餌台等に糞が付着している場合は取り除き、餌台等の上だけではなく、周りや下に落ちた糞や餌もこまめに掃除することが求められています。
消毒については、バケツにキッチンハイター約1.2杯を5Lの水で希釈し、2分間つけおきしたあと水で洗い流す方法が案内されています。大きな餌台の場合は、スプレータイプのキッチン泡ハイターを餌台等全体に吹き付け(10cm四方当り5回スプレー)、2分間放置したあと水で洗い流します。
100円ショップで作った小さな餌台なら、つけおきができる大きさです。ここは軽い餌台の利点で、バケツに入る大きさに作っておくと消毒が現実的な作業になります。作る段階から「掃除しやすさ」を寸法に織り込んでおくと、続けられる餌台になります。
作業のあとの手洗いも忘れずに。バードウォッチングに行ったり庭に餌台を設置したりしても感染することはないとされていますが、野鳥の死体にはさわらない、餌台の清掃や餌出しを行なったあとは石鹸で手を洗う、といった注意事項を守ることが前提です。詳しくは日本野鳥の会「野鳥と高病原性鳥インフルエンザ」を確認してください。
10キロ圏内で発生が確認されたら、給餌を止める
餌台を出す人が必ず知っておくべき条件があります。日本野鳥の会は、管理が不十分な餌台に鳥を集めることは野鳥への感染のリスクを高めることにつながるとし、近くで感染が見つかった際には給餌を自粛するよう呼びかけています。目安は、自宅の近く(10キロ圏内)で強毒性の高病原性鳥インフルエンザが確認された場合です。
この「10キロ圏内」という基準があるおかげで、判断が主観にならずに済みます。自治体の発表は都道府県の環境部局のページで公表されるので、給餌シーズンの前にブックマークしておくとよいでしょう。
行政の見解も押さえておきます。環境省は、野鳥へ安易に餌付けを行うことは、野鳥が人の与える食物へ依存してしまうことや、餌付け場所へ密集することで野鳥同士の接触が進み、感染症の拡大をまねくおそれがあるとしています。自治体によっては「野鳥に餌付けはしないでください。自然の状態をそっと見守ってください」と明確に呼びかけているところもあります。
つまり、庭の餌台は無条件に勧められる行為ではありません。野山の餌が少なくなる冬の間に限り、清潔に管理し、近隣で感染が確認されたら止める——この3条件をすべて守れる人だけが取り組むもの、という位置づけです。春になり昆虫などが増えてきたら餌を置くのをやめる、というのがガーデンバードウォッチングのルールとされています。
野鳥は体内や羽毛などに細菌や寄生虫などの病原体を持っていることがあるため、素手で触らないでください。糞を踏まないよう十分注意し、必要に応じて消毒をおこないます。鳥インフルエンザウイルスは、感染した鳥との濃密な接触などの特殊な場合を除いて通常では人には感染しないと考えられており、日常生活で排泄物などに触れた場合は手洗いとうがいをすれば過度に心配する必要はないとされています。詳細は環境省「高病原性鳥インフルエンザに関する情報」とお住まいの自治体のページで確認してください。
| 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
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エサを与えるのは野山にエサが少なくなる冬の間にするのがガーデンバードウォッチングのルールとされ、春になり昆虫などが増えてきたらエサを置くのをやめます。近隣(10キロ圏内が目安)で高病原性鳥インフルエンザが確認された場合は、時期にかかわらず給餌を自粛します。
餌台を出す時期の考え方は、こちらの記事でさらに詳しく整理しています。「12月〜2月だけ」という言い方の中身を知りたい方はあわせてどうぞ。

まとめ
100円ショップの餌台づくりでいちばん時間を使うべきなのは、実は工作ではありません。庭やベランダを一周して、地面から1m以上の高さが取れて、大きな窓の真正面ではなく、下に猫が潜める茂みのない場所を1か所見つける。ここが決まれば、あとは330円の材料を組むだけです。最初の一歩として、まず設置場所を決めてから買い物に出かけてみてください。作った餌台にシジュウカラの「ジュクジュク」という声が届いたとき、その場所選びが正しかったことがわかります。
※100円ショップの取り扱い商品・サイズは店舗や時期によって変わります。給餌に関する見解や鳥インフルエンザの発生状況は、日本野鳥の会・環境省・お住まいの自治体の最新情報でご確認ください。

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